第二話 幼なじみ兼親友Bちゃん 前編
現れたのは、Bちゃんだった。私と同性の幼なじみ。昔からずっといっしょの親友だ。
Bちゃんは、私を見た途端、走って駆け寄ってきて、上体を起こしていた私の顔数cmのところまで近づいてきて、私の両肩に両手を添え、心配そうな顔で私の顔を覗きこんできた。
「Aちゃん、大丈夫? 痛いとこ、ない?」
そんな悲しそうな顔されても……。私が勝手に怪我しただけなんだし。まあでも、変に大丈夫とか言わないほうがよさそうだなあ。
Bちゃん、何でも隠さず言ってもらうのが好きみたいだし、何か隠してるんじゃって、変な心配かけたくないしね。Bちゃん、何でか私の嘘見抜くからなあ。
「うーん、頭の後ろの方と、背中がちょっと痛いかな。」
正直に答えた私。まあでも、あんまり痛いわけじゃないし、まあ、こんなもんでいいだろう。
「もうちょっと休んどかないとだめそうね。」
あらあ、やっぱりBちゃんは心配性だった。ったく。Bちゃん。無駄にかわいらしくて、無駄に乳あって、無駄にトランジスタグラマーで、無駄に気立てがよくて。
あ、おっぱいのこと二度繰り返しちゃった、私。
で、顔はリス顔で、ポニテ。雰囲気と見かけがぴったり!
だから、モテるんだよなあ。しかもなぜか本人はそれに気づかない。天然過ぎて。まあ、この子は恋愛できるほど中身大人じゃないしなあ。
まあ、包容力はあるんだけどね、私が男だったら、即落ちだね。そんなことをもう何度考えたことか。
まあ、そんなことは今はいい。とにかく、私は気になっていることを確かめたいのだから。
「ねえ、Bちゃん。」
「なにかなっ?」
私が元気そうですっかり安心しているようだ。伝わってよかった。
「私さあ、どうやら朝、廊下で派手に転んで気絶してここに運ばれたみたいなんだけど。」
なんか薄~いような気がする記憶を辿りながら私はBちゃんに確認するように言った。
「知ってるわよ。慌ててAちゃん運んだの、わたしだし。」
Bちゃん、まさかの第一発見者たったのね。Bちゃんこう見えて力持ちなんだよね。でも筋肉いっぱいで重そうな私を運べるなんて、結構びっくり。
そこで急にしおらしくなるところ。最後声小さくなるところ。そういうところが、あざとい。でも、本人に自覚ないんだよな、これ。ファン増やしてるんだよなあ、これが。
「さっすがBちゃん! ありがとね。」
とりあえず元気にお礼を言っておいた。感謝すべきだし。
「えへへ。どういたしまして。」
うわあ、照れててかわいい。見慣れてるのに飽きないんだよねえ。ほんとこの子お持ち帰りしたい。……、しょっちゅう家で一緒に遊んでるから、お持ち帰りしてるっちゃしてるのか、私……。
おっと。なにトリップしてんだ、私は。Bちゃんの魔性に踊らされてる場合じゃない。とにかく、今は、何を私は踏んで転んだか。それが大事なんだ、今は!