表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何を踏んで私は転んだ? バナナの皮じゃあないけれど。  作者: 鯣 肴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/14

番外編 BがほぼいつもAと共にいる理由 後編

 そのときの笑顔がBの頭に焼き付いている。今でも鮮明に思い出せるほど。


 後日、Bは尋ねた。彼女もとい、Aに。


「どうして自分をわざわざ助けてくれたの……。」


すると彼女は丁寧に答えてくれた。


「ただむしゃくしゃしてやっただけで、Bを助けるとか別にそんなつもりは本当になかったって。だからそんな感謝とかしなくてもいいよ。私がただそうしたいと思ったから、あれ見て不快に思ってやっただけ。」


「え、でもあんなところまで来てくれるなんて、助けようと思わなかったらムリだよね……。」


 ちょっと怖かったが、Bは聞かないわけにはいなかなった。彼女にそれを認めてもらい、ちゃんとお礼を言いたかったのだから。


 すると彼女はめんどくさそうに答えた。


「気に入らないものは叩き潰す。潰せるなら。ただそれだけ。」


 そして、Aはそのまま立ち去っていった。






嘘を言っていないことはBにもすぐ分かった。


 Aはチコクの常連として有名だった。そして、その後の教師への言い訳が物凄く下手なことも。だから、嘘をついたらすぐ分かってしまうのだ。


 ちょっと荒れててがさつ。で、怖い。それがこの出来事より前のBがAへ抱くイメージだった。


 だが、それは間違っていたのだ。


Aは自分の考えに殉じ、行動できる。それがとても眩しかったのだ。あの場から助けてくれたことなんかよりもはるかにずっと。


 そして、自身も彼女を見て、変わりたい、と。

恩返ししたい、と。


 それから、BはAの傍にいつもいるようになった。Aがとっても素敵に見えたのだから。あの笑顔を忘れられないのだから。


 そして、癒されたのはBだけではなかった。BによってA自身も癒されることとなったのだ。


 姉と比べられ、悪いところはいっしょと言われ、やさぐれていた彼女。しかし、自身を認めて、慕ってくれる友達ができたことで、彼女の心は少しずつその傷を癒していった。


 そして、高校生になる頃にはすっかり落ち着いていたのだ。姉の一件で再度荒れるが、Bのおかげで、それも比較的マシだった。


 ちょっと荒れただけで、中学の頃みたいに暴れることはなかったのだ。そして、姉が海外へ行ったことで、すっかり傷は治り、多くの人がBに寄って来るようになっていた。


 そして、A自身も、天然無垢から少し成長し、それなりに他ともうまくやっていけるようになっていたのだ。


 そして、今日も明日も明後日も、BはAの傍にいるのである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ