第十二回 何故なら特別な存在だからです(313系8000番台、211系0番台)
313(5) 「今日は名鉄が人身事故で遅れてるから客が多いな。」
JR東海の偉い人 「ATSP作動、ATSP作動。313系5000番台君。名鉄からの振り替え客が多すぎてダイヤがかなり乱れた。名古屋で打ち切りにしてくれ。あと最近はATSPを取締以外に連絡にも使うから注意しといてくれ。」
313(5) 「名古屋打ち切りとは珍しいな。」
211(0) 「おや?打ち切りのようですね。事故でもあったのですか?」
313(5) 「あなたは?」
211(0) 「申し遅れました。私は神領車両区所属の211系0番台です。」
313(5) 「0番台?5000番台さんなら豊橋でよく会いますが。」
211(0) 「私はJR東海で唯一の国鉄時代の車両です。」
313(5) 「国鉄…。」
211(0) 「自分が国鉄型を置き換えたことは気にしなくていいですよ。」
313(5) 「そうですよね。いろんな先輩もそう言っていたし。」
211(0) 「まあ私はJR東海になった後の211系より待遇がたまたま良かったからここにいるだけで世の中私より若いのに消えていった車両も多いですから。」
313(5) 「待遇が良かったってどういうこと?」
211(0) 「私が生まれたのは198年。名古屋地区の快速として生まれました。」
211(0) 「国鉄が爆発して暫くして新快速が誕生すると311系が増備されるまでの1年新快速として活躍しました。」
211(0) 「その後120km対応工事や車椅子スペース工事、幕交換などを経て最近は関西本線を走っています。」
313(5) 「確かに誕生して四半世紀経つのに名古屋地区に残っているのはすごいですね。」
313(8) 「何が120kmだ。俺は130出してるからしょぼいな。」
313(5) 「おい、元銭トラレル。先輩にむかってそんな言い方ないだろ。」
313(8) 「なんだよ。先輩なら遅くても仕方ないか。」
313(5) 「それでお前はセントラルライナーが廃止した後どうなったんだ。」
313(8) 「ギク。実は朝晩以外は神領でニートレインで…。そんなわけないじゃん。」
313(8) 「最近は快速とか普通とかホームライナー瑞浪とかやってるぞ。」
313(5) 「お前に普通って言葉は似合わないな。」
313(8) 「そうだよな。俺たち普通じゃないもんな。先輩含めて。」
211(0) 「そうですね。でもそれが良いことなんだから胸をはろう。」