第十一回 GTOとIGBT(インバータの種類)
313(5) 「勝手に逃げ出してすみませんでした。」
311 「でなんで逃げだしたんだい。」
313(5) 「373系先輩の運用を置き換えたのが自分だと思ったら悲しくて。自分という存在に嫌になって。」
373 「でも今回のでいい経験になったんじゃないの。自分の役割を改めて認識できたんだし。」
313(5) 「はい。僕は優等運用についている身としてお客様のために努力したいです。」
311 「よく言った。これでこそ僕の番号を受け継いだ者だ。」
373 「正直特急用の僕でも5000番台君にはかなわないね。インバータを除いて。」
313(5) 「でもあれうるさくない。」
373 「うるさいって言う方がうるさいんだよ。このうるさいめ。」
313(5) 「うるさくてすみませんでした。」
373 「今のは冗談だよ。でも5000番台のインバータは静かだよね。」
313(5) 「そうですよね。僕のVVVFはなんてったってIGBTだから。」
313(5) 「IGBT素子は静かで消費電力が低く最近の車両の主流となっています。」
373 「対してGTO素子は消費電力や音が大きい代わりに大きなお友達にはわりと好評です。」
313(5) 「まあどっちもメンテナンスフリーというメリットがあるけどね。」
373 「じゃあ今回は短いけどお開きで。今後も中の人と313系5000番台の成長を温かく見守ってあげてください。」
313(5) 「僕も製造から10年経っているんだよ。」