第一回 JR東海の新たなる伝統
313 「こんにちは、私はJR東海大垣車両区に所属する313系5000番台です。今は名古屋地区で新快速とかやってます。」
313 「最近の悩み事は、後輩がいないことですかね?」
311 「はー、はー、久しぶりの新快速は疲れるな。」
313 「311系先輩、お疲れ様です。」
311 「ありがとう、それにしても昔は毎日のように飛ばしていたのに25年経つと疲れるな。」
313 「そういえば先輩と、211系さんって姿は似ているのに色は全く違いますよね?」
311 「そうだな、211系とかは、いわゆる湘南色なんだよ。」
313 「湘南色?」
311 「湘南色はオレンジと緑が特徴の色で、国鉄時代から存在する伝統なんだ。」
313 「じゃあ先輩は、伝統を壊したのですか?」
311 「新しい伝統を作ったのかもしれないな。」
313 「新しい伝統?」
311 「君の先輩の、373系さんの塗色、僕の塗色、そして君たち313系の前の塗色はみんな前だけ白色なんだよ。」
313 「確かに、言われるまで気づかなかった。」
311 「僕が生まれた頃、周りには赤や、緑の車両ばかりで不安だった。」
311 「だけど、君のような素晴らしい後輩のことを僕は誇りに思うよ。」
313 「先輩…。」
311 「そろそろ、次の運用の時間だな。」
311 「では、またどこかで。」