奈落
悠希「じゃあ、先に進むか。」
四人は再び歩き出した。
唯「ねぇ京夏。京夏の魔法って何でも出せるの?」
京夏「そう。 『空想』って魔法は、頭で発想したものを出せるんだよ。例えこの世界に存在しない物質であろうが出せて、逆に出せないものはないかな。発動条件はイメージなんだよ。出すのは1秒でOK~ って感じ。」
悠希「すごっ!何でも出せるのかよ。」
雛乃「御門さんのは、どんな魔法?」
悠希「火山雷ノ魔法は、これ一つで火と土と雷が使えるレアの魔法なんだよ。 」
唯「それもすごっ!」
京夏「話が盛り上がっているところだが、岩のゴーレム数体に囲まれている。」
悠希「気配はないが?」
京夏「岩と同化しているからな。」
雛乃「だからですか?」
京夏「そういうことだ。何処から現れてもいいように警戒して。」
唯「うん。」
雛乃「はいっ!」
悠希「了解!」
四人に緊張が走り、洞窟の中は静まり返る。
唯「出てきた!」
唯は短剣で攻撃したが、さすがに岩のゴーレムは硬く、弾かれた。
そして、ゴーレムが攻撃してきた。
悠希「モード炎, 放炎・起爆罠」
唯「援護、ありがとう。」
悠希「いいって。」
唯「ねぇ京夏、私の魔法で闘えるの?」
京夏「霊化ノ魔法は対人戦には有利だけど、人以外には効果はないんだよ。」
唯「そんな~」
ゴーレムが脚を降り下ろし悠希に攻撃してきたが、避けた。降り下ろした先にあった大きな岩が、粉々になった。
雛乃「え!?どれだけ強いの!」
悠希「モード土,砂地獄!」
【砂地獄…半径25mの範囲の地面を砂にして、底なし状にする】
砂地獄にかかったゴーレムが体勢を崩した。
悠希「もう一丁! 地割れ!」
【地割れ…片足で地面を踏み地割れを起こす】
体勢を崩したゴーレムが地割れで開いた奈落に落ちていった。
悠希「三体上がり!」
その頃__
京夏「クリエイト“魔法攻撃,地,巨穴”」
残りのゴーレム全て巨大な穴に落ちた。
京夏「全て上がりだ。」
安心したところその穴から一体のゴーレムが這い上がって来そうになった。
京夏「這い上がってもらったら困るんだわ。“アンインストール”」
【アンインストール…クリエイトで出した"モノ"を消せる。再び出すなら、クリエイトで出さないといけない】
そう言うと巨大な穴はゴーレム諸共消えていった。
雛乃「倒した~」
悠希「一度休憩しよう」
四人は体力を回復薬を飲んだ。
唯「よし!あと少し、頑張ろう。」
???「キシシシシー」
洞窟の奥から不気味な笑い声が聞こえてきた。