回想
唯「そうだね。みんな、今日はお疲れ様。」
その日の夜は宴のような賑やかな時間だった。
唯「二人は何か目指してることとかあるの?」
悠希「うーん、あるね。」
雛乃「何ですか?」
悠希「万人をも助けれる英雄になりたいと思ってる。」
雛乃「凄いです。御門さんなら、成れますよ。」
唯「京夏は?」
京夏「ん?俺は、吸血鬼だからな~。唯一の魔王にでも成るわ。」
唯「そういえば、京夏は元人間なんだよね?どうして吸血鬼に?」
京夏「話せば長くなるから、短くするわ。俺がまだ15歳の時に吸血鬼に噛まれて、吸血鬼になったんだわ。 地球と異世界が融合する事件の時は14歳だったかな。だからそのまま数えると、今109歳だわ。」
雛乃「ん?地球と異世界が融合する事件?」
悠希「何それ。詳しく聞きたい。」
唯「唯も聞きたい。」
京夏「言葉通り、地球と異世界が融合して今の世界があるんだよ。
えーっと…今から95年前のこと。」
~回想~
__それは突然、地震のような大きな揺れが襲ってきた。
それまで普通に生活していた人々は恐れ、戸惑い、立つ事も出来ない程の震動に耐えきれず大地に伏す感じになり、それでも揺れは収まらず、周囲の建物が均衡を失い、次々と倒壊していく。
それはまるで地獄絵図のようだったんだよ。
崩れ落ちる建物の下敷きになる人々を、誰も救う事は出来ず、辺りは赤黒く染まっていった。
そして空が虹色に揺らめいたかと思うと、太陽が落ちてきたかのような光が世界を覆い尽くした。
次に何かに叩き付けられたかのような衝撃、頭に響く轟音。
その日、世界は壊れた。
どれくらい時間が経ったのか分からないが、気付くと周りの景色は一変していた。
知っていた街並みが、大自然の中に混ざり合うように。いや、バラバラに砕け散ったガラスの破片のような状態で、それでも強引にこの世界と融合していた。
あれほどたくさんいた人達は、いったい何処へ行ってしまったのか。世界と同じ様に、バラバラに砕け散ってしまったのだろうか__
悠希「過去にそんなことが……」
唯「私も文献で得てない知識……興味が湧いてきた。」
京夏「まぁー 暗い話はおいといて、そろそろ寝るか。」
四人は横になった。
唯「星が綺麗。」
雛乃「星好きだもんね。」
それを最後に就寝した。
翌日
唯「おはよう、雛。起きるの早いね。」
雛乃「おはよう、唯。さっきあっちに可愛い動物がいたの!見てきていい?」
唯「迷子にならんようにね。」
雛乃「うん。」
悠希「いってらっしゃい。て言うか京夏、まだ寝てる。起きろよ。」
京夏「吸血鬼は朝が嫌いだ。寝かせろよ。」
雛乃は動物を追いかけるため、森に消えた。




