危険
雛乃「唯~ここは危険だよ~。もぅ戻ろうよ~。」
半泣きになりながら言ったこの子は、西園 雛乃。8歳の女の子である。
唯「でも、この森を抜ければ、安全だよ…多分…。」
不安そうに答えたのは、稲葉 唯。 この子も8歳の女の子である。この二人は、半年ほど前にとある街で会ってから、ずっと親友の関係である。
雛乃「魔物が出てきたら、おしまいだよ?」
唯「武器は一応持ってるから」
雛乃「これだけじゃあ、まともに戦えないよ?」
唯が持っている武器は短剣で、雛乃の持っている武器は回転式拳銃である。これでは魔物を倒すのに時間がかかってしまう。
雛乃「私たちまだ魔法使えないから。早く使いたいな~」
唯「じゃあ、魔法についての文献を読んで勉強しよ?」
雛乃「うん。唯は、どんな魔法が使いたい?」
唯「うーん……星が好きだから、そういう系の魔法がいいな~ 雛は?」
雛乃「え?私は何でもいいかな~」
唯「えー つまんないのっ」
ガサガサ
突然目の前の草木が揺れた。
雛乃「え!?何?」
唯「まさか魔物?」
いきなり、二人の前に現れたのは、狼の形に近い小型の魔物5体と中型の魔物1体である。
唯「小型なら、倒したことあるから大丈夫!」
雛乃「分かった!援護するね」
唯は短剣を手に取り、突っ込んだ。雛乃は後ろから銃で援護した。
唯「はぁ…なんとか小型は倒したね。」
雛乃「唯、後ろ!」
唯の後ろから襲いかかる中型の魔物。
唯「あっ……!」
雛乃「ま、間に合わない」
その瞬間、日本刀を持った謎の少年がその魔物を一撃で斬り倒した。
???「君、大丈夫? 怪我とかないか?」
唯「あっ…はい。大丈夫です。助けてくれてありがとうございます。」
???「それなら良かった。」
唯「あの…名前は?」
悠希「え?あー 御門 悠希。よろしく。君たちは?」
唯「悠希ですか… 私は、稲葉 唯です。よろしくね。」
雛乃「わっ、私は西園 雛乃です。よろしくお願いします。さっきは、唯を助けてくれて本当にありがとうございました。」
唯「この子、人見知りなんですよ~。」
それから少し、話が盛り上がった。
悠希「唯と雛乃は何処に向かってるの?」