通話記録Ⅰ
『もしもし、夢空です』
「あ、もしもし。僕はアカリとトモリの友達の、ルイと申します。お二人はいらっしゃいますか?」
『あ、ルイさん、わたし。トモリだよ』
「ああ、トモリ。ごめんねこんな時間に」
『いいよいいよ。勉強中だったし、羽根休めしたかったから。ところで、どうしたの』
「そうそう。今日の帰りに大分焦ってたでしょう? それがどうしてだったのか気になっちゃって」
『ああー。ルイさんよく見てたね。えっと、ルイさん家に行く前に、わたしは一通りの家事は済ませてから、アカリと家を出たの』
「ほうほう」
『そしてルイさんちに着いてさ、しばらくして何だか違和感を感じたんだー』
「どんな違和感だったの?」
『それがね、お風呂場のお湯を止めてなかったんじゃないかって思って』
「え、それって機械がとめてくれるんじゃないの?」
『家には付いてないなぁ』
「あーそうなんだ」
『結論だけを言うとね、そう。止め忘れてたんだよ。水どばーって溢れてた』
「たいへんだったねー……。こないだのガスコンロの件があるから気持ちが分かるよ」
『分かってくれる……? ちょっと嬉しいな』
「でもさ、ちょっと不自然だよね」
『なにが?』
「炎の文明族、ヘリオクスと遭遇したときは、火に関するトラブルが起きやすかった」
『あ、今日は水のエレメント、ネオと遭遇して、水のトラブルが起きた』
「文明族のふたり……もしかして、これを狙ってたのかな」
『わからないけど、そうだとしたら文明族、侮れないね』
「そうだね」
《あなた達がお間抜けなだけ……》
『……ルイさん。何か言った?』
「……な、何にも言ってないよー。ああ、そろそろ切るね」
『あ、うん。電話ありがとね』
「ああ、こちらこそ。話ができてよかった」
『――……ッ! うんっ、それじゃ、またね』
「あ、トモリ! もうひとつききた」
ブツン。




