EP 「なんて悪夢だ」
★☆★
トモリ、トモリ。
どうしてそんな奴と戦っているの。
君は宇宙人なんかじゃない。
能力なんてないはずなのに。
無理だよ。
ああ、相手の手からは何だかビームみたいなのが手から放たれてる。
あれ……。
相手からのビーム攻撃が効いてない。
ちょっと待って、その隣に倒れてるのは。
ベガ……?
「どうして」しか浮かばないよ。
トモリは超能力者じゃないのに。
しかも、ベガが負けるはずが無いのに。
ちょっと待って。
遠くから、何かが迫ってくる。
あんなでっかいの、避けられるわけないよ。
飲み込まれていく。何もかも、全部。
その中に、僕自身もいる。
もちろん、父さんだって、妹だって、アカリも……みんなみんな、流されていく。
でも、トモリとベガは流されて行かない。
そして、その敵も。
だけど、どうして。
トモリは全てを諦めたかのように、敵に向かっていく。
まって、まってよ。
早まっちゃ、ダメだよ。
敵はニヤリと笑い、ビームでトモリを殺した。
そうして間髪入れず、ベガへと近づいていく。
ダメだ。ベガ、起きてよベガ。
僕の願いは及ばなかった。
ためらわず、敵はベガにビームを放ち……。
ここで僕は目が覚めた。
これが夢だと分かってるからこそ、余計にこわいんだ。




