テイク2 お嬢さまの好きなひと(1)
「いーお湯ですぴょんっ♪ ハーレクイーンさまっ」
「そーねレッキスっ♪ でもカン違いしてはいけないわっ! 我々はヴァイタル・エナジー回復のために、仕方なーく偶然発見した温泉に浸かっているだけだからねっ! ……あー極楽っ♪」
「了解ですハーレクイーンさまっ! あ、お背中お流ししますぴょんっ」
「あらっ? よく気がつく娘ねっ! ……うひゃひゃひゃっ! くすぐった……てっ!? どこ使って洗ってるの……ひゃっ! こ、こらっ! そこは自分で洗うからっ! ひゃひゃっ!」
「(……ハーレクイーンさまはまだお子さまだぴょん)」
「何か言ったかしらっ?」
「いーえ、何でもないですぴょん。ソレにしても、今回はどの時代まで跳ばされてしまったのでしょうぴょん? 何だか、雪と氷ばっかりで寒いですぴょんっ」
「もーちょっと回復したら、《時代:計測》の《マキナ》で……っ。あらっ? 子象さんだわっ! あの子も温泉に入りに来たのかしらっ? カワイイっ♪」
「? ちょっと毛むくじゃらですぴょん……あ、備品の残りのバナナあげますぴょん? はいですぴょん」
「むっ? 今ちょっと自慢げに、胸の間の《時空倉庫》から出したわねっ?」
「気のせいですぴょん」
「まーいいわっ。ほーら、子像さーんっ! ご飯ですよー。……は、はくちょんっ! あっ!? 逃げちゃった……っ」
「ハーレクイーンさま、あまりお湯から出ると湯冷めしますぴょんっ。仕方ないので、ご自分で召し上がって下さいぴょん。バナナは優良な、ヴァイタル・エナジー回復食ですぴょん」
「バナナきらいっ」
「好き嫌いしてると大きくなれませんぴょん……ん? 今、ずっしーん、って?」
「ほんとだわっ! しかも段々と近づいて……っ。あっ!?」
「パオオオオオオォォォォ———————————————————ンッッッ!!!」
「「マ、マンモス〜〜〜〜〜っっっ!?」」
「あの子象の親っぽいですぴょん! ど、どーしますぴょんっ!?」
「当っ然——逃げるのよレッキスっ! 脱兎のごとくっ!」
 




