プロローグ
超時空系ハイテンションセクシーバトルファンタジー、始まるよっ! いささか残念な女の子たちが登場するけど、生あたたかく見守ってやってねっ! あと、もし感想とか評価とかいただけたら、ちょっぴりうれしいなっ♪ それでは、お楽しみくださいっ☆
「今日も地球がきれーだねっ!」
「……そうね。こほっ」
「ほら、お粥ができたよ! しっかり食べて、早く元気になってね! おかーちゃん」
「ありがとう、モトコ。いただき……げほげほげほっ!」
「ゆっくり、よーく噛んで食べてね。だいじょうぶ、ゆっくり……けほっ」
「……わたしはいいわ。この最後のお粥は、あなたがひとりで食べなさい」
「!? 何いってるの?」
「わたしはもうダメだわ。でも、あなただけなら助かるかもしれない」
「やだよ! ぜったいにやだよ! 一緒に元気になって、この荒れはてた『月面南極都市』から抜け出して、おかーちゃんの生まれた地球に行くんだよ! けほけほ」
「でももう、ドクターサービスどころか、生きていくための光子通貨さえ……げほげほっ!」
「だいじょうぶだよ、おかーちゃん」
「……どうして?」
「『むーんていかー』が、きっとモトコたちを助けに来てくれるよ!」
「……『ザ・ムーンテイカー』……。ほんとうに存在するのかしら? 噂では、《マキナ》の力を悪用した世紀の大泥棒で、大悪党ってことらしいけど……。げほっ」
「ちがうよ! 『むーんていかー』はよわい者の味方、せいぎの味方なんだよ! いー子にしてれば、ある日とつぜん現れて、いっぱいプレゼントをくれるんだよ!」
「でもそんな、サンタクロースかあしながおじさんみたいな都合のいい出来事が、今の世の中に……」
「それもちがうよ! 『むーんていかー』はおじさんじゃなくって——ばいんばいんの女のひとなんだって!」
「ば……ばいんばいん!? ごほごほっ!」
「うん! 『むーんていかー』の正体は、すっごく胸のおっきな、きれーなあしながおねーさんなんだよ! あしたの七夕の短冊に、『むーんていかー』に会えますよーにって書くからね、おかーちゃん! ……ほら、お粥さめちゃうよ? けほけほ」
(…………ああ。月の神さまでも、地球の神さまでも。いっそばいんばいんの『ザ・ムーンテイカー』でもいいですから……。どうか、どうかこの子だけは、無事に生き延びてくれますように————)