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人生ゲーム  作者: NAOX
2/15

愛をあなたに~梨音~

ああ、なぜだろう。

いつからか私は恋に落ちていた。

恋と言うハートであふれているものに落ちてしまった。





私の親友、亜李空ありあはもちろん、彼も私の支えであった。

小学一年の時に私は両親を亡くし、妹と共に暗い日々を送った。だが、すぐに祖母と祖父が引き取ってくれた。そんな私を勇気づけれくれた、光をくれたのは大雅だった。




「なんで?」

彼の口癖はこれだった。

何でも知ろうとする。そんな彼が好きだった。


小学生の時、六年間ずっと一緒のクラスだったのは奇跡だと、運命だと、神様が本気でルーレットを回してくれた、と心から感謝した。でもなぜ神様は大雅と樹を離れさせたのだろうか。






「『切れぬ虹』、気に入ってるよ!止まらなくてずっと読んでる!」

何か話しかける目的を作りたくて話しかけた。

ただそれだけ。

小六だった時は「愛」の感情はまだ持っていなかった。

けれども嫌いではなかった。



「樹くんと交代したいな」

口を開くと大雅は私の目をじっと見た。

「なんで」

「クラス・・・不公平だよね、だって亜李空と樹は一緒のクラスだよ?亜李空は私の親友、樹くんは大雅の親友なのにさ」

「なんで、そう思う?」

夕日で彼の顔が見えなかった。

「俺は梨音と一緒のクラスでよかった、って思ってるよ」

「うそつき」

「なんでうそつかなきゃなんねぇんだよ。」

うん、確かに。

彼は私をいつも起き上がらせた。






「『切れぬ虹』、お前今どこ?」

こう言う会話はまだ小学生レベルかな?

「今ちょうど55ページいったとこ。大雅は?」

「俺67ぺ―ジ。早く追いつけよ」

え・・・?

なんだか嬉しかった。

それを言った後彼はすぐ教室を出て、樹と校庭へ走った。

「梨音っ」

「亜李空!どうしたの?」

「花に占ってもらおうよ」

「え?」

亜李空は私の手を強く握り、中庭まで引っ張った。


ブチっ

「ちょっと亜李空!そんな事したら怒られちゃうよ。」

彼女は力強く花を引っ張った。

今思えば何にそんな急いでいたんだろうか。

大雅の気持ちを知るのに何をそんなに急いでいたのだろうか。

「好き・・・嫌い・・・好き・・・嫌い・・・

好き」

「出た。好きだって。よかったじゃん」

「こんなのうそに決まってるよ・・・占いとか、お花に占ってもらっても・・・」

「卒業までに告っちゃえば?」

何を言い出すかと思えばすぐこう言う事だ。

私は下を向き、軽く首を振った。

その時の自分は自信がなかった。

はっきり言って、今思えば後悔している。




昼休みが終わると、思いもしなかった事が起きた。


「昼休みに中庭で誰かが花を摘んだ。誰だ

水をあげに行った先生が見つけたそうだ。・・・誰だ。」

まずいっ

もっと奥の花を摘めばよかった。

下を向き、言おうか言わぬか迷っている私だったが、大雅が手を挙げた。

「僕がやりました。」

「優秀な生徒がそんな事やるはずがない。」

はっ?

今あなたはそう言いたいに違いありません。

でもこれが事実です。

「・・・先生、加藤先生。優秀な生徒だからって荒らさないって訳じゃないです。・・・瑠璃垣さんは目撃者です。」

えっ。

「そうなのか、瑠璃垣。」

えっ、えっ?

大雅の方を向くと、「はい、と言え」と言われているような気がした。

「・・・・・・・はい」

「お前って奴は・・・校長室に行け。」


校長室で大雅は何を言われたか分からない。

でも後から聞いた話では、校長は全てを信じてくれたと、私をかばってくれていると言う事を信じてくれたと言った。


また助けられた。

大雅にまた助けられた。





帰り道、亜李空に謝られた。

「ごめん、ホントにごめん」

すぐに昼休み後に起きた事を話すとまた「好きだ」とかそう言う話になった。


でも一番謝りたいのは私の方。

大雅に会って謝りたかった。

だからその日、一人で彼の家に訪れた。


「ごめん。」

「なんで謝るの、いいよ別に」

「ごめんっ。でも・・・ありがとう」



彼はすぐに許してくれた。



けど本当にごめんなさい・・・





小学生の時はこんな馬鹿げた事を何も思わず、先を考えず、すぐにやってしまう。

そんな自分が嫌いだった。

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