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リーングラードの学び舎より  作者: いえこけい
第二章
111/374

香辛料と沈黙は高い

「それは次回にでも、売上と相談してですな……」

「その次回が本当に来るなら女神は後ろ髪を掴ませないよ」


 ゆらりと天井の小ランプが動きました。

 竜車の外からゆっくり気配が近づいているのを感じます。


 なんの気負いもないうえ、足音も消しておらず、ゆっくりと何かを気遣っている様子から相手が大体、予想できていたので自分はためらいもなく幌を少しだけ開けました。


 妙齢らしき女性が目をまん丸にしてますが、すぐに笑みに変えました。


「あら、お客さん」

「お邪魔しております。あぁ、お茶は自分が」


 ジェンキンスさんの奥方らしき女性から、ゆっくりとお茶を乗せたお盆を受け取り、それぞれに回していきます。

 そうして、すぐに奥方は幌を降ろして去っていきました。

 よく気がつく奥さんですね。ジェンキンスさんと同い年くらいに見えるので、40そこらですか。


 あの年齢でも行商についてくるとは、なんとも仲の良い夫婦というかなんというか。


 さて、話を戻しましょう。


 マッフル君が何を狙っているか。

 それはわかりやすいくらいにわかりやすいですね。


 術式ランプを全て売り切ることです。


「あたしらはさ、まだここに来て二ヶ月と半分。来た頃なんか術式具なんて作れやしなかった。だけど、今、おじさんの手には術式ランプがある」


 その意味に気づいてもおじさんは表情を変えません。

 ただ、術式ランプを少し見て、それからまたマッフル君に視線を合わせました。


 ただ単純に売るだけならジェンキンスさんにこだわる必要はありません。

 他にも家具屋がいて、術式ランプを売ることができます。

 ただ、二つほど理由があります。


 一つは専属契約まで持っていきたいという思惑。

 毎月、安定した数を卸せる相手がいるのとそうでないのでは、全然、差がありますからね。


 そのために利用したのは『自分たちはまだ発展途上、現時点でそのレベルなら次はどんなものが造れるのか』という期待を煽るものでした。


 二つ目。

 まず、前もって話を通していたジェンキンスさんは、術式ランプを売買するためにある程度のお金を持っています。

 朝一でした約束ですから、そう現金を持っているわけではないと考えるでしょうが、それでも半日あればかき集めてくるのが商人です。


 3~4個、買うだけのお金しかない?

 NOでしょうね。そもそもマッフル君がジェンキンスさんを選んだ理由はある程度、支払いできると踏んでいたからです。

 その理由は、パッと見た限りではわかりません。


 ジェンキンスさんが所属している商会を、マッフル君が知っていたのなら話は別です。

 このあたりは商人でないとわからない嗅覚なんでしょうか?


 んー、キャラバンでマッフル君が知っている商会?


 ちょ、今、嫌な考えを思いつきました。


「十分、売れる商品だってのはわかるよね。で、おじさん。本当に一部だけ買っていいわけ? 他がやってないことを独占できたら、利益を独占できるのは当たり前のことだよね」


 マッフル君は暗に他の店で残りを売ると言い切りました。

 さほど困る話ではありませんし、マッフル君からすれば当然の行為です。

 マッフル君からすれば術式ランプを全て売り切れば問題ないのですから、ジェンキンスさんにこだわる必要はない。


 なのに、あえてジェンキンスさんにこだわっているのは……。


 だんだんと可能性が濃くなってきましたね。

 まさかマッフル君。親を刺すつもりですか。


 一飲みしたお茶が苦いです。


「君はつまり『成長途上の自分の腕も含めて、全て術式具を引き取って欲しい』と」

「それぐらいできるでしょ。他の誰かの商人と違っておじさんの居る商会なら」


 やっぱり。ばっちり当たってました。


 途端に苦々しい顔をするジェンキンスさん。


「おじさんの居る商会ってさ、どんなキャラバンに所属しても絶対に商会の名前までは出さない。あくまで個人として、商人として接する。公平であり、名大はなし。どこにでも居て、当たり前の顔で商売する。だけど、だからこそどんな商売もする」

「……よく知ってるね、お嬢さん」

「そりゃ、散々聞かされたからね」


 その商会の名前を自分も知っています。


 というか、世話になりましたからね。

 冒険者から戦争のお共まで、幅広いラインナップで購入者の欲に忠実なお友達。


 マッフル君たちが野営で使った【粘着玉】を造ったお店ですよ。


「おじさん、聞かせてもらっていい? 信用があるなら普通、言えるでしょ。商会の名前くらい」

「………」


 これは、まずい。

 何かを言おうとして、あえて自分は止まりました。


 何も口に出さないという約束は守らなければなりません。

 もっとも、最悪の場合はその限りではありませんが。


「商人はまず所属する商会の名前を先に出して信用の証にするのに、おじさん、なんにも言わないじゃん。あたしとしては買ってもらいたいけどさ、そりゃ、あんまりじゃない? 親に不義理じゃん。ねぇ、おじさんの商会はなんていうのさ」


 マッフル君はクラスの中でも一番、如才ない子です。

 鉄鉱石不足から鉄板の制作までの話を付けて、ちゃんと自分の利益に貢献する方法を道筋立てて考えられています。


 自分がどんな立場にいて、どんな人間で、どういう風に見られているのかをちゃんと理解している。

 ある意味、クリスティーナ君以上に。

 その考え方だけなら、クラスの誰より確固として在ります。


 マッフル君だけがクラスの中で誰よりも自分というものをよく知っています。

 そして、クラスの誰よりも世の中に詳しい。

 

 自分が無茶したとき、大体、呆れているのはマッフル君ですからね。


 だけど、まだ未熟すぎます。

 まだ危険というものを理解していなさすぎます。


 あっけなく森を踏破しようと考えるあたりにその思想が見え隠れしています。

 どんな危険があって、どこまで踏み越えていいのかがまだ想像がついていないのでしょう。


 ジェンキンスさんが所属する商会。

 それは武装商人の集まりであり、王都を拠点に南方のキャラバンを仕切る大商会です。

 そして、そこのトップの武装商人は自分とも強い繋がりがあり、内紛時においては補給路を任せるほど強かったのです。


 平たく言ってしまいましょう。

 マフィアの類ですよ。


 健全で法を守る、裏側にも精通した商人の集まりなんてマフィア以外の何者でもない。

 そんなものに足を踏み込む意味を理解していなさすぎる。


 ましてやマッフル君が自らの素性をジェンキンスさんに隠しているのなら、なおのことです。


「いやぁ、こりゃぁ一本取られた。もちろん、商会はこのキャラバンを仕切るメルボルン商会の者に決まってるじゃないか」

「ふぅ~ん? まぁ、いいや」


 だけど、あっけなくツラの皮を出すほどの薄い相手ではなかったようです。

 幸いでした。相手が心に余裕があるタイプで。簡単な腹芸くらいお手の物な時点で交渉相手としては良いのか悪いのか、判断できませんね。


 なお、このことをメルボルン商会に話しても、答えは是で返ってくるだけです。

 そういう取引がすでになされているからでしょう。


 そして、今夜のうちにでもジェンキンスさんの商会で情報が回ってしまうでしょう。

 学園に商会に気づいた子がいる、と。


「そうだね、今回は失礼に当たることをしてしまったし、君の腕も見込んで10個全部買い取らせてもらおうか。いや、本当に失礼だったね。まだ学園生徒のことを子供だと見くびってしまったのはこっちの落ち度ですな」

「……うん、おじさんは大商人だね。あっさり10個も買う決断するなんて」

「ん? そうかな。いやぁ、まだまだ現役だからね」


 笑顔の二人。しかし、目だけは笑っていませんでした。


 やはり短くまとめに来ましたか。

 相手の揚げ足を取って買いを促す行為はよくある商人たちの技です。

 ましてや信用が貨幣のように扱われる商人たちならば、信用を失うことは何よりも避けたいでしょう。


「本当、おじさんはいい買い物をしたと思うよ。絶対に売れるから」

「おや、絶対と言われては仕方ないな。ところでお嬢さん――」


 ジェンキンスさんの瞳はまだ光を失っていません。


「その言葉、神に誓って言えるかい?」

「もちろん」


 おっと。最後に仕掛けてきましたね。

 神様ですか。


 この場合、どの神様に誓うかで商会の流れがわかります。


 ロラン商人みたいに無節操に神に願うタイプ。

 特定の信仰にのみ願うタイプ。

 そして、まったく信仰せずに貨幣に誓うタイプ。


 これらは大まかに、どの辺の商人か選別する儀式になります。


 無節操なら、どこにでもいる広範囲の商人。主に行商などの広域を渡る商人ですね。

 特定の神様なら、その信仰地区に親しい商人。

 そして、まったく信仰しない商人は金よりも強い絆で結ばれた商人です。


 本当におおまかな質問ですが、これだけでマッフル君がどんな商人に教わったかを知る糸になります。

 横に繋がり深い商人の情報網は侮れませんからね。


 下手したら挨拶一つでどこの生まれか特定されてしまいます。


「神様相手でもいいけど、まぁ、今回は先生に誓うよ」


 勝手に誓いの立会人にしないでください。


「では何かあったらヨシュアンさんに……あ」


 名前を言って気づいてしまったようです。

 というか名前を聞いても気付かなかったところを見ると、あまり矢面に出なかった人ですかね? 内紛の時に。


「ん、どうしたの」

「あぁ、いや、よく聞く名前だと思ってね。さぁ、術式ランプ10個の精算をしてしまいしょうか」


 まさか、ありえない、そんな顔が見て取れます。

 その半信半疑、正解です。


 貴方のところの親玉が、一時期、自分の名前をよく言ってましたからね。


「そうだね。銀貨にして9枚」

「11枚!」


 ボリすぎです。


「まいったお嬢さんですな。では9枚と銅貨60枚。それと継続で卸して頂けるというのなら腕を見込んで10枚、というのはどうですかな」

「あたしの腕前って40しかないわけ?」

「今のままなら」

「……わかった。なら次は80枚、上乗せしてくれるってわけね」

「落ちている金貨よりも落ちてくる銅貨を拾いに行くとはね。いや、お嬢さん、大成するよ」


 脱力したように肩をすくめたジェンキンスさん。


 こうして、マッフル君の商売は終わりました。

 銀貨10枚をセロ君やエリエス君に笑顔で見せつけるマッフル君。


「はいはい、騒ぐのはお外でやりましょう。君たち、夕御飯はまだでしたね。そこの料理屋台で一緒に食べましょうか」

「マジ? 先生のおごり!」

「ぇえ、そ、そんなのせんせぃにわるぃのです」

「ごちそうさま」


 あれ? いつの間にか奢る流れになっていますね。

 エリエス君なんか確定した感じで言ってます。


「いいからお外に出なさいな」


 蹴飛ばすように竜車から生徒を追い払うと、自分も降りる間際でジェンキンスさんに振り返りました。


 このままだとマッフル君の素性がマズいですね。

 いや、下手をするとジェンキンスさんのほうがマズいのですが。


「ジェンキンスさん。調べる必要はありませんよ」


 自分は商人ではないので、こういうときは率直に言わせてもらいましょう。


「あの子、マッフル君はグランハザード商会をよく知ってますから」


 ジェンキンスさんの目が大きく広がりました。

 こぼれ落ちそうですね、怖いです。


「つまり、貴方の所属する商会ですね」

「……なんと言っていいものやら。ここはあのお嬢さんの素性に驚くべきですかな? それとも意味を知っていて簡単にその名前を出してしまえる貴方の方ですかな?」

「沈黙は金、リスリアでもそう言い回しますか?」

「いえ。ですが、けだし名言ですな。口を噤む時のほうが利益は大きそうです」


 幌を潜ろうとした時、後ろから声をかけられました。


「貴方があのヨシュアンさんで間違いないのですか?」

「どのヨシュアンを指しているのか知りませんが、まぁ、口を噤むならどちらでも」


 そして、何の気負いもなく竜車から出ました。


 グランハザード商会。

 マッフル君のお父さんが指揮する武装商人です。

 世間では冒険者御用達のお店を王都で開く商会です。


 マッフル君の父は昔……、その先見の明から内紛の時に、革命軍の物資補給を担当したキャラバンです。ただの武装キャラバンだったキャラバンを王都はおろか各主要都市に於いても支店を置く大商会に育てあげた辣腕商人です。


 現在、もっとも【商売王】に近い男でしょう。


 あまりに大きすぎて、公に出すのが憚られるというグランハザード商会。

 まぁ、表組と裏組の二種類いるだけですけどね。


 ジェンキンスさんは裏組、おそらくキャラバンの立場から義務教育計画を調べさせているのでしょう。


 当然、革命軍で公然の秘密兵器だった……、思い出すとものすごい立場だったわけですが、自分とも面識があります。

 何故か気に入られていました。


 マッフル君があのグランハザードの子供だと知った時は、色々と驚きましたよ。


 奥さんの話はするのに娘の話は一向にしないから「隠し子か!」と思ったくらいです。

 ベルベールさんの資料で公的な子供だと確信できましたが、いやはや。


 世間はやっぱり広くて狭いものです。


 ぶらぶらと生徒を連れて、どこの料理屋台に行こうかと迷っている時でした。

 エリエス君がセロ君を見ていてくれている間にこっそりマッフル君の隣に移動しました。


 周囲がざわついているのでエリエス君たちには聞こえないでしょう。


「マッフル君。最後の話はあまり公にしないほうがいいですよ。例えマッフル君が」

「べっつに。誘拐なら一回されたことあるし」


 へ? 何この子、誘拐経験者って何でしょう?


「いや、ダメでしょう。犯罪ですよ?」

「あたしに言っても困るよ。相手に言ってよ」


 今、その相手が居たら、自分は怒り狂いますよ?

 どこかの廃屋とかに隠れていたら廃屋ごとこの世から無くなっています。


「昔さー、えー、5年か6年くらい前? あんまり覚えてないんだけどさ」


 頭の裏で指を組んで、のんびり歩くマッフル君に気負いの影は見えない。


「なんかさ、いきなり袋に詰められてさ、どーん、てさ。で、何日も連れ回されたあげくご飯もくれなくってさ。まいったよ、飢えて死ぬってアレをもっと強くした感じなんだろーなぁ。力も入らなくって目もかすんでさ。んで、気づいたら誰かが自分を抱きかかえて、どこかに連れて行ってくれた。それが助けに来た人とわかった時にはもう親父が目の前だったりして、まぁ、ほとんど覚えてないわけ。誘拐されてから親父はあたしにも剣の修行させてくれたりしたし、良かったと言えば良かったのかな? 助けてくれた人については、ぼんやりしてて全然、覚えてないしさ」


 間違いなく自分の身を守れるようにしたのでしょう。

 グランハザードならやりかねません。

 誘拐された娘に容赦ないですね。


「あたしには夢が二つあってね。一つは、立派になってその人に会いにいくこと。会って『助けてくれてありがとう』っていうこと」


 それはこの時代において、どれだけ途方もない夢なのでしょうか。


 内紛の最中ですよ? その助けてくれた人がどんな人かは知りませんが、あの限りなく死亡者の多い【十年地獄】において、生き残っている可能性はどれほどでしょうか。


 やっと見つけたと同時に墓の下、なんて話は五万とありますよ。


 それでも言いに行くし、会いにいくのでしょうね。

 マッフル君は有言実行の子です。


「あと一つの夢は?」

「ひ み つ」


 にんまりと笑うマッフル君。


 なるほど。

 そう思えるくらい、マッフル君には夢がありました。


 夢は希望と言い換えられます。

 マッフル君はこういう希望を見いだせる、そんな周囲に恵まれていたのでしょう。

 誘拐の記憶は薄く、気にならない程度だったとしても、そんな過去を持っても上を向けるような世界に生きていけたということです。


 それはきっと、自分たちが作った時代に育ったから。

 長い絶望を切り開いた、そんな人たちがいると知っている世代です。


 同時に救われる話でもありました。


 血にまみれた戦場を重い足で歩く、あの時にはそんな希望なんてあるはずないと思いこんでいましたから。


 一生をここで終えてしまう。そんな予感のまま駆け抜けた青春でした。

 甲斐なんて、そんなものどこにもありませんでした。


 こうして何年も経ってから、あの頃、頑張った自分に甲斐を見つけられるなんて。

 それはきっと救われてもいい話でしょう?


「もう一つの夢――父を越える商人になりたいとか?」


 なんとなく、そう思ったので言ってやったら、


「ななななな、なんで知ってるわけ!?」


 ものすごい反応が帰ってきました。

 うわ、顔が真っ赤っかじゃないですか。

 耳まで真っ赤ですし、涙目じゃないですか。


 催涙ガスでも吸いこんだのかと思いました。


「【支配】? 【支配】だよね、それ! 心を読むなよ! 魔獣先生のくせに! わすれろ、わすれろー!」

「いや、まぁ、いいじゃないですか。それと適当ですよ、てきとー。そんな心なんて読めるはずないじゃないですか」

「うるさーい! 絶対、誰にも言うなよな! 絶対だぞ!」


 現役の商人相手に張り合っていた顔なんて思い出せないくらい、焦りに焦った顔。

 いいじゃないですか、夢の一つや二つ。


 君がそれを持つだけで、救われる人がいるんです。


 そして、そんな君を育てていける立場にある人がいるんです。


 もっと無い胸、張ればいいのに。


「今、無い胸を張れ、みたいなこと考えて口に出そうとしなかった?」

「気のせいです。心を読むようなこと言わないでください」


 ベルベールさんだけで十分ですよ、そういうの。


 この後、マッフル君の機嫌を治すためにやっぱり奢ることになりました。

 はふはふ、と、香辛料の効いた肉――高価でした――を頬張る生徒たちを見て、ため息をついてしまいました。

 大量の肉を買って皆に振舞ったのとは違う散財でした。


 今月、ちょっとお金使いすぎです自分。

 お金があるとはいえ、来月は自重します。絶対です。


 見てください。セロ君なんて、なんか感動したのかずっとこっちを涙目で見てますよ。

 そんなに美味しいですか? 美味しいんでしょうね。

 というか、泣いた。なんでこの子はこう、ワンシーンごとに悲しくなってくるのか。


 きっと時代のせいです。


 まぁ、それでも、こんな日が続けばいいなと思えるくらい、小気味良かったですよ。




 でも――それでも空気を読まないヤツというのはいました。


 それが起こったのは、その日。

 誰もが寝静まる深夜のことでした。


「火事だ―――!!」


 その言葉に、自分は飛び起きました。


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