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追放メシ屋ババカルは復讐より腹を満たす

作者:乾為天女
最新エピソード掲載日:2026/02/05
 城の台所から追い出された料理人ババカルは、泣く間もなく腹が減った。追放の黒幕は、帳簿をいじり、食材を横流しし、最後は彼女に罪をかぶせた監察局の男だ。証拠はない。味方もいない。あるのは、火と鍋と、どんな残り物でも「うまい」に変える腕だけ。
 ババカルは復讐のために刃を握らない。代わりに、路地裏で小さな食堂を始める。売るのは、安いが腹にたまる一皿。買うのは、日雇い、孤児、衛兵、噂好きの行商人。客の胃袋が満たされるたび、口は軽くなり、街の裏側がこぼれ始める。
 「横流しの荷が今夜動く」「監察局の倉に鍵を持つ男がいる」「帳簿の原本は地下へ」。笑い声の裏で、情報が鍋の中に集まっていく。ババカルは料理で人の心をほどき、仲間を増やし、証拠へ最短で近づく段取りを組む。
 ところが、追い詰めたはずの黒幕は“正義の監察”を盾に、逆に食堂を潰そうと動き出す。食べる場所を奪われれば、困るのは弱い人からだ。ババカルは怒る。泣くのではなく、湯気の立つ復讐をする。
 最後に守りたいのは、自分の名誉だけではない。ここで笑って食べる人たちの明日だ。鍋が鳴り、腹が鳴り、そして悪事の帳尻が合わされる――
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