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【SF 空想科学】

最も進化が下手くそな生き物

作者: 小雨川蛙
掲載日:2025/04/20

 

 宇宙船に乗っている宇宙人達がある美しい星を見つけた。


「綺麗な星だ」


 そう言って宇宙人達は地球を見つめていた。


「実に綺麗だ」


 そう言って宇宙人達は地球に見惚れていた。

 およそ数千年間。

 彼らには億に近い寿命があった。

 故にこの程度の時間の浪費はあまり気にもかからなかった。


「あれ、汚くなった」


 三千年ほどして宇宙人が言った。

 人間達が台頭して地球を支配し始めたのだ。


「どうする?」


 そう宇宙人が問うと別の宇宙人が図鑑を見ながら言った。


「大丈夫だ。放置しても」

「そうなのかい?」

「あぁ、この生き物は大抵勝手に滅びるらしい」

「なんじゃ、そりゃ」


 そんな会話をしている内に図鑑に載っていた通り、地球に居た人間達は戦争によって一人残らず滅びた。


「なんだい、あの生き物は」


 宇宙人達は困惑をしていた。

 隆盛したと思えば、そのまま滅びてしまった。

 災害や疫病によってではなく、自らが築き上げた力によって滅びたのだ。


「そういう習性らしい」

「なんじゃ、そりゃ」

「そんなこと言われても、そういう習性だとしか……」


 そう言って宇宙人は改めて図鑑を見る。


『勝手に栄えて、勝手に滅びる。最も進化が下手くそな生き物』


 その一文を見ながらも宇宙人は大きくため息をつく。


「そんなバカみたいな生物なんているはずもないじゃないか」

「なら、あの星の現状をどう説明する?」


 そう言われて宇宙人達は憐憫の声を漏らす。


「この宇宙には理解の出来ない生物はいるものだな」

「あぁ、きっと、神様がおふざけで創ったのだろう」


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― 新着の感想 ―
神様がおふざけで作ったんだろうな自分たち。ほんとそうだよ。多種多様な欲なんてもんつけたから、弱いやつが欲で汚されるんだ。
生まれては滅び、生まれては滅び、宇宙にはこういった生命がゴマンといるんでしょうね。 私もSF系小説でそういう内容を書きました。なにかやはりそう考えてしまいますよね。(笑) 我々がこの地球を覗いている宇…
 ラストの一言、小雨川蛙様ならではの とてつもない皮肉なジョークに笑ってしまいました。
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