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《夢》の継ぎ人 4

街にある塔。それはディナルドの監理する物である。その塔の上部が突如開き始め、そしてそこから、半径約2キロを覆うように光のヴェールが放出される。外界と遮断するように街を包み込むソレは、人が外部へ出ようとするのも拒絶するほどのものであった。

「すぐに街の人達を頑丈な建物に避難させんと!ルウーボは地上から、グリフは空中に待機して警戒状態を!」

チャーモンドがそう部下へと命令すると、部下たちのフレームゴーレムは塔周辺を囲む様に待機し、これから起こる空裂を警戒していた。

「いったい何が・・・」

「アンタたちも避難を手伝うて。説明してる暇は無いけど、とにかく大変な事が起きるんや」

そうしていると、空に亀裂が走り、それを見ていた人が驚きの声を上げた。すると突如、空が割れ、その先にある禍々しい空間が顕わとなる。その現象は、発生すると突然、周囲の物を吸い込み始める。しかし、塔から出た光のヴェールで覆われた街はその被害を受けなかった。それは、塔のヴェールが、言わば防壁の役割をしていたからだろう。

割れた空を見た人達は、恐怖し、それを見つめるしかなかった。しかし、30秒ほどすると、その穴から何かが現れる。大きさにして3~5mほどの飛翔物、生物と思われるそれは、まるで鳥が群れを成して飛ぶ様に、小魚が捕食者を恐怖させるために群れとなるかの様に群体となり、地上へと飛来してくる。その数は無数であり、そして途切れる事なく幾度も押し寄せる並の様に出現してくる。その存在こそが次元龍である。

そして、その次元龍の襲撃により、街は混乱しはじめる。

「アレは!」

「前に見た、次元龍とかいうの!」

「チャーモンド。私とミリアムはヴァリエンデで加勢する。ウォードとトロンとで避難誘導を任せてもいい?」

「任せとき、なんとかやってみるわ!」

次元龍たちが街を覆うヴェールへと突撃しはじめる。そのヴェールは次元龍の突撃を防いではいたが、発動し始めてから約3分後、そのヴェールは消滅してしまう。そうなると、次元龍は街へと侵攻を開始し始める。それを見たチャーモンドの部下たちは、咄嗟にソレに攻撃を仕掛け始め、そしてそこに、シャルとミリアムの乗るヴァリエンデも加勢し、その剣を振るうのだった。

「なんなんだよコイツらは!」

「皆さん、私達も手伝います!絶対に食い止めてください!」

「了解!」

フレームゴーレムに乗る6人の部下たちは、地上へ向かう次元龍に対し、攻撃を続けた。ディナルド側の武器は、前に回収された死骸のおかげもあり強化されており、数発で次元龍の装甲を貫き、倒せるほどになっていた。フレームゴーレムを操れる存在なだけはあり、皆、なんとか次元龍を地上まで通さない状態であった。そして、ヴァリエンデの剣も、その威力で、次元龍を一撃で両断出来るほどであった。

一方、地上の避難も着々と進んでいた。混乱の中、協力してくれる人もおり、皆を頑丈な建物の中へと誘導していくのだった。そして、チャーモンドは逃げ遅れた人が居ないかを探す。すると、街の中央近くに、逃げ遅れた少女が一人、泣きながら蹲っていた。混乱の中、親とはぐれたのか、それとも一人で遊びに来ていたそうなったのかは分からない。しかし、確かにそこに少女は居た。そして、最悪な事に、そこに攻撃を搔い潜った次元龍が迫ってきていたのだ。チャーモンドは咄嗟にその少女へと急いで飛び、間一髪で突き飛ばし、次元龍から救う。しかし、それと同時に、チャーモンドは次元龍の爪に追突してしまい、飛ばされてしまうのだった。ぶつかった衝撃で出た声に、ウォードとトロンが駆けつける。すると、そこには負傷し倒れたチャーモンドの姿があり、そして少し離れた場所に少女が居た。そこで止まっている少女をトロンは急いで避難させる。しかし、トロンはすぐにチャーモンドへと駆け寄り、そして、少女を避難させたトロンも遅れてチャーモンドの傍へと行った。

「トロン!すぐに回復の魔法を!」

「しかし、これでは・・・」

「ゴタゴタ言ってないで早くしろ!」

まだ意識はあるものの、チャーモンドのその姿は、一目でもう助からないと思えるほどであった。しかし、ウォードは諦められなかった。それは、目の前で倒れている人を放っておけないというのもあり、そしてやはり、彼女を一人の友人として認めていたからであろう。

「ウォード・・・」

チャーモンドは力を振り絞り、なんとか声を発する。

「待ってろ、すぐに回復させてやるからな」

「えぇ、自分の身体は自分が一番よう分かる・・・。それよりも、これを・・・」

そう言うと、チャーモンドは懐から水晶玉を取り出す。それはチャーモンドのフレームゴーレムであるソムニュームの玉である。

「ソムニュームをよろしくな・・・。ウチの夢を、頼んだで・・・」

そう言い残すと、チャーモンドはウォードの腕の中で力尽きる。それに対し、ウォードは呼びかけ続けるも、チャーモンドが目を覚ます事はなく、トロンはその光景から目を背ける事しかできなかった。

「バカ野郎・・・。夢なら起きて、自分で叶えろよ・・・」

悲しみに暮れるウォードであったが、なんとか立ち上がり、チャーモンドの亡骸を安全な所へ置く。

「ウォード・・・」

「なあ、トロン。俺達の戦うべき相手って誰なんだろうな」

「それは・・・」

「分かんなくなってきたけどよ、今はあのクソッタレ共をぶっ潰す!それだけだよな!」

ウォードはチャーモンドから託された水晶玉を天へと掲げる。

「トロン、行くぞ!力を貸せ、ソムニューム!」

すると、トロンの手にあった水晶玉が巨大なフレームゴーレムへと変わり、ウォードとトロンを飲み込む。その姿はエスペランザやヴァリエンデと似ているが、大きな違いとしては、背部に巨大な砲台の様な物が装備されており、脚にも箱の様な物が付いていた。

モニターに様々な説明が表示される。それは、この世界の言語で書かれている。ソレを、トロンは大雑把に把握した。

「大体分かりました。とにかくコレの操縦はアナタが。私は各種に付いている武器の操作をします」

「応ッ!やってやるぜ!」


更新が遅くなってしまいすみません。



さて、作中で出てくる「空が割れる」という表現ですが、こちらは『ウルトラマンA』において、超獣が送り込まれる際に空を割って出てくる現象をイメージしていただけると分かりやすいと思います。


そして、魔族側の階級ですが、これは『仮面ライダークウガ』のグロンギから着想を得ています(というよりまんまですね)。ンから始まり、ラ行を遡り、ラになると一番階級が高いという風になっていますが、伝わっていないと思うのでここで補足説明という形にさせてもらっています。

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