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サフラト村 2

村の中央近くににあるランドの店兼家に着くと、ランドはカウンターの裏に入っていった。店には日用品や工具、農具など様々揃っており、少ないながらも武器も壁に飾ってあった。サクヤはカウンターの方に向かいランドを待ち、リーナは壁の武器を眺めていた。するとカウンターの奥からランドが何かを持って戻ってきた。

「それって」

「お前が持ってたカメラって奴だ。中身を修理するのは簡単だったがこれに使える紙ってのが難しかったよ。なんとか用意出来たがな」

ランドはカメラと紙が入った封筒を渡す。

「とりあえず100枚は用意した、大切に使えよ」

「ありがとうございます!」

「それともう一つの方なんだが、アッチはまだまだ苦戦しそうだな」

「やっぱりそうですか」

カメラを渡し終わると、ランドはリーナの方に目を向ける。

「それで、次の頼み事ってのは嬢ちゃんの事か?」

「ああ、実は」

「おっと、皆まで言うな。あの嬢ちゃんの腕をどうにかしたい、義手が欲しい、そうだろ?」

「そうなんだ」

サクヤは事情を説明した。無論、魔族であることは伏せてだ。そうしているとリーナが気付き、サクヤの元に来た。

「なるほどな」

ランドは事情を納得し、リーナの左腕を見る。

「お願いします!リーナの腕を治してやってください!金はなんとかします!」

サクヤは頭を下げた。それを見たリーナは驚いた表情をしていた。しかし、ランドは腕を組み、悩んだ顔をしていた。

「金はいいんだ。ただ一つ問題があってな」

ランドは一度リーナを見た後サクヤの顔を見る。

「嬢ちゃん、魔族だろ?」

その発言に場は凍り付いた。サクヤは隠していた事がバレ、どうするかを必死に考えた。そしてリーナはランドに対して警戒の姿勢を取った。

「・・・何で分かったんです?」

恐る恐るサクヤが聞く。

「オレは人より他人の魔力を感じ取りやすくてな。それ広場で嬢ちゃんを見た時から魔力にずっと違和感があったんだ」

「お願いします!村のみんなには黙っててください!」

「頭を上げろ。別に魔族相手だから頼みを聞かないとか迫害しようじゃないんだ。問題は嬢ちゃんが人間とは魔力量も質も違うって事なんだ」

「どういう事だ?」

警戒を解いたリーナがランドに質問をする。

「魔力で動く義手はあくまで一般的な人間の魔力に合わせた造りであってな、嬢ちゃんみたいに魔族相手だと人間用の義手が機能するのか、機能したとして耐えられるのかが分からないんだ」

「じゃあ、無理なんですか?」

「腕のいい技師を知ってるからソイツに声をかけてみるし、強い魔力にも耐えられる造りに出来るか頼んでみる。ただ時間もかかるし、物になるか分からないんだ」

「じゃあ、頼んでもいいんですね?」

「ああ、相手が誰であろうと、悪事以外の頼みを断るのは主義じゃないからな」

サクヤの顔に光が戻る。リーナも、義手とはいえ自分の腕が戻る可能性に期待の表情を浮かべていた。


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