Dear My……… 3
リーナは店を出ると、買った宝石を少し眺め、懐へと入れる。用事は済んだのでサクヤと合流しようと思ったが、一つ問題があった。それは集合場所を決めていなかった事だ。リーナはそれを思い出したが、同じ街の、それにこの周辺を回っているであろうから問題ないであろうと思い歩き始めようとする。しかしその時、後方から自分の名前を呼ぶ聞き覚えのある声がする。その声の主の方へ振り向くと、そこに居たのはストルツであった。
「リーナベル!約束通り来てくれたか。どうしたんだ、その腕」
ストルツはリーナの左腕が無い事に驚いた。あの夜もリーナの姿を見ていたが、その時は夜の暗さもあり気付かなかったのだ。
「さあ、一緒に国に戻ろう。その腕も、きっとどうにかなる」
「生憎、もう義手の手立てはあるの」
「しかし・・・」
「それに、ここに来たのは逃げても追い回してきそうなアナタと話をつけるためよ。国には私と、仲間と一緒に行くわ」
「そうか・・・」
落胆するストルツだったが、同時に通信機を手に持ちボタンを押す。すると広場においてあったグリフォールが飛行形態となりストルツのそばに飛来し、そして再び人型へなり着陸するのだった。
「力尽く、というのは選びたくなったが、仕方がない」
ストルツはソレに乗り込むと即座にリーナへ腕を伸ばし、掴もうとする。咄嗟にリーナはエスペランザを呼び出し、その腕をかわすのだった。
「このままフレームゴーレム同士で戦ってもいいけど、街の人達を巻き込みたくはないわ。街の外へ行きましょう」
「その要求を飲んだとして、私に得があるのかな?」
「そういう問題じゃないでしょ!」
リーナはエスペランザの推力を活かし、右腕でグリフォールに掴みかかり、そのまま空へと飛び立った。エスペランザは自由に飛行できるわけではないが、持てる推力で限界まで飛び、後は自由落下に任せればなんとか街の外へと持っていけるだろう。しかしそう甘くはなかった。たかだか片腕で掴まれているだけなため、ストルツは空中でエスペランザを引き剥がすと、同時にエスペランザへと強烈な蹴りと入れる。その蹴りで体勢を崩したエスペランザは街へと落下しそうになったものの、なんとか姿勢を直し、街の外へと落下していく。
「この勝負に負けた方は勝った方の要求を飲むと言うのはどうだい?もっとも、片腕が無い君にとっては分の悪い勝負だろうが」
「いいわね。その賭け、乗ったわ!」
「今のって、エスペランザ?」
メラとメルに軽くデザートを食べさせていたサクヤに目に、エスペランザとグリフォールの戦いの光景が入って来た。
「何かを掴んでた」
「急いだ方がいいんじゃ!」
「うん、そうしよう」
メルとメラは出されていた食事を急いで食べ、食べ終わり会計を済ませるとすぐに店を後にした。
「リュード、俺達3人もマジードラッヘに乗せられるか?」
サクヤの問いにリュードは答えると、マジードラッヘを召喚し、サクヤ達と共にマジードラッヘへと吸い込まれていく。
エスペランザの戦っている気配がないため、サクヤはマジードラッヘで飛び立ち、上空から探しはじめる。すると、街の外側でフレームゴーレム同士が戦っている様子を見つける。片方はエスペランザ。そしてもう片方は恐らくあの山で見た物である。エスペランザは蛇腹剣を持ち応戦しているものの、グリフォールの動きに翻弄され、空中から仕掛ける一方的な攻撃に蹂躙されている状態であった。
「リーナ!」
作品を書く上で色々と思いついた設定などをメモしているのですが、その中で"エスペランザ"が"エスペランザー"となっていました。恐らく書く時に語感を意識し今の名前になったのでしょうが、いつどうして変えたのか自分でも覚えていないため不思議です。また、それより前に決めていた没になった名前もあったりします。




