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ニセモノの勇者 2

「まずは自己紹介をしないと」と言うと偽勇者達は自分達の名前を名乗り始めた。背の高いリーダーと思われる女性がシャロ、小柄で少し幼さもある少女がミアリス、大柄な男な男がブート、長身の男がトロルと言うらしい。偽物としては如何にもと言った感じだろうか。偽勇者のシャルは自分達の冒険譚を離し始める。それは昨日に飯屋と話をしていた物と同じ物であり、旅先の村に襲撃をしに来た魔族の軍勢、そしてその魔族が使役する暴れる竜と戦って見事勝利したという物だった。しかし、その話は当事者であるシャル達にとってはあまりにも嘘くさく感じられ、恐らくは自分達の噂話を適当にまとめてかつ誇張している物なのだろうと感じた。

「凄いですね!」

シャルはわざとらしく褒めながらも続ける。

「勇者様。もしよかったらその背中にある剣を触らせてもらえませんか?」

「あぁ、いいよ」

シャロは快く剣を渡す。するとシャルはその剣を探る様に見たり触ったりする。

「素振りしてみてもいいですか?」

「いいとも」

シャルは剣を振るう。しかしそれは、勘づかれない様にわざと素人な振り方をしていた。そして素振りを追えるとシャルは剣を返す。

「こんな強い勇者様、憧れちゃうな」

「そうでしょう、そうでしょう」

シャロは鼻高々に喜んでいる様子だった。

「じゃ、私達の話も聞いたことだし、お会計と行こうかしら」

「お金ですか?」

「言ったでしょ、高くつくって。剣まで触らせたんだから一人大銀貨五枚。と言いたいところだけど、気分がいいから一人三枚にまけてあげるわ」

そう言われると、シャル達は渋々ながらも大銀貨を払うと、シャロはその銀貨を自分の財布の中に入れるのであった。

「まいどあり!」


その夜、シャル達は宿の一室に集まって相談をしていた。

「で、あそこまでやって何か分かったのか?」

ウォードはシャルに問いかける。何を思ってかは知らないがあそこまでやって何も成果が無いという事は無いだろうという信頼の上での質問であった。

「まずみんなも分かっただろうけど、あの話は恐らく私達のやってきた事の噂を適当にくっつけただけの真っ赤な嘘ね。それにあの剣。触って振ってみたけど、悪くは無いけど少なくともあんな剣であの話みたいな戦いはきっと出来ないわね。まあ、知識の無い人を騙すには十分だろうけど」

「じゃあやはりあの人達は」

「えぇ。私たちの偽物で間違いないわ」

皆薄々は気付いていたが、やはりそうかと言った感じである。しかしそうなると一つ悩みが生まれる。

「でも、そうだとするとあの人達の事どうする?」

「問題はそこなのよね。何か迷惑をかけているわけじゃない以上は、こっちから仕掛けるなんて事は出来ないし」

「でもあんな作り話で金儲けなんざ許せないな」

「同感ですね」

この街の人達が彼女らを本物の勇者と信じている以上は、「この人たちは偽物です」と言ってもあまり効果は無いだろう。だからこそ余計にシャル達を悩ませていた。しかもシャル達には大臣に頼まれた事もあるためあまりここに長居をするわけにもいかない。となるとこのまま放置するのも一つの手ではないかという考えが浮かんだ。だがしかし、結局意見は纏まらなかったため、この夜はそのまま保留となるのだった。


本作は新しい話を投稿すると大体いつも4人ほど読んでいただけています。また、たまにですが、初回から最新話まで一気に読んでくださる方もいらっしゃる様です。

どちらも非常に嬉しい話なので、これからもよろしくお願いします。

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