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アナタらしく、自分らしく 2

翌朝、地平線から見え始める日の出と共にリーナは目を覚ました。まだ他の誰も目を覚ましていないため、掛布団にしている布を静かに畳み、朝支度に必要な物と剣を持ち外へと出る。日の出の時間と言え外はまだ夜の暗さを残しており、日中暖かくなり始めたと言え、まだ肌寒さのある朝であった。リーナは桶に魔法で水を出すとそれを掬い、顔を洗う。まだ残る眠気を覚ますと、剣を振り始める。片腕だけの身体にも慣れ始め、しかもエスペランザでの戦いもあったため、剣の素振りにも慣れが生まれている様に見える。

リーナにも悩みが無いわけではない。昨晩のサクヤ同様に、どこかでずっとこの旅に対する後悔や、「あの時ああしていれば」を考えないこともない。しかし、サクヤにあの様な答えを出した以上自分のソレを出すわけにはいかない。しかし、昨晩サクヤに言った事が全てでもあり、それは自分に対しても言える事でもある。

その様な事を考えながらも剣を振ってそれを紛らわしていると、サクヤがエスペランザから降りてくる。「おはよう」とサクヤが声をかけると、サクヤはリーナの使った水を使い自身も顔を洗う。

「あの子達は?」

「まだ寝てる」

「そう。朝食には起こしてあげないとね」

サクヤは朝食の準備を始める。鍋に細かく刻んだパンと適当に千切った干し肉、塩、胡椒、たっぷりの水を入れ、ゆっくりと長めに煮込む。簡単ながらもシッカリとした朝食となるパン粥だ。粥が完成した頃には日は完全に昇り、空も深い青から明るさのある澄んだ青へと変化していた。朝の光に照らされたエスペランザを見ると、不思議な事に昨日の戦闘での傷が修復された様に見える。

サクヤとリーナは二人の子供を起こしにコックピットへと戻る。子供の身体を少し強く揺すると二人の子供はゆっくりと目を覚ます。すると、二人の子供は驚き、恐怖から身を寄せ合う。当然だろう。目を覚ますと知らない場所で目の前には知らない二人、しかも片方は魔族だからだ。

「おはよう。俺はサクヤで、こっちはリーナ」

サクヤは笑顔で子供に手を差し伸べる。

「とりあえず朝ごはんにしよう」


パン粥を寄そうと、子供達はガツガツと食べ始める。よほど腹が減っていたのだろう、おかわりを要求してくるほどである。

「君たちの名前を教えてくれるかな?」

「俺はメラ。こっちは妹メル。妹って言っても双子だけどね」

メルは無言でガツガツと食べている。

「この村で何があったか教えてくれるかな?もちろん、話せる範囲でいいからさ」

するとメラは食事の手を止める。

「いいよ。ちょっと前の事なんだけど、ある日蟲みたいな竜が村に5匹ほど飛んできたんだ。するとソイツら、いきなり村の人達を襲って食べ始めてさ。俺とメラは一緒に納屋に隠れたんだけど、父ちゃんや母ちゃんたちはどうなったか分かんない。それで俺達は納屋にあった食べ物を少しずつ食べて生きてたんだ」

概ね、サクヤの想像通りではあった。想像したくはなかったが、現場を見るにそうなのだろうと言った感じだ。

「ねえ、村はどうなったの?」

メルが口を開く。その言葉に対し、サクヤは最初どう答えるか迷った。しかし隠しても仕方がないため、起きた事、そしてその顛末を正直に話す。

「じゃあ父ちゃんや母ちゃんたちも・・・」

「ゴメン、助けられなかった・・・」

メラとメルはサクヤを許すわけでも、肯定するわけでもなかった。しかし、彼らもまた蟲の引き起こした現実を知っているため、サクヤ達を攻めきれないと言うのが分かっていたのだ。

「ねえ、次はさ、サクヤ達の事教えてよ」

重い空気になるのを読んだのか、メラが話題を切り替える。

「あぁ、それはもちろん!」

そうすると、サクヤとリーナは自己紹介も兼ねて、これまでの旅をメラとメルへと語り始めるのだった。


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