勇者の旅路 2
街へと入ると、魔族に支配されているとは思えないほど普通の生活が行われていた。しかし街の人々はどこか怯えており、シャル達を見ながらヒソヒソと話をしている様子であった。シャル達はその街の様子、そして門番として魔族が居た事を踏まえ警戒しながら街での宿を探そうとする。するとどこからか何かが崩れたかの様な大きな音が鳴り響く。その音を聞き、シャル達が音の鳴った方へと駆けていくと、そこには何かの作業をしているフレームゴーレムの姿があった。
「大切なブツなんだ!もっと丁寧に扱え!」
おそらく司令塔と思われる牛の様な頭をした二足のフレームゴーレムが作業をしている複数の腕の長い丸いフレームゴーレムを叱咤していた。そのフレームゴーレム達は謎の巨大な塔を建造している様子であった。
その様子を見てシャルは固まった。恐れていたフレームゴーレムとの対峙、それが今まさに起きようとしているかだ。しかし思考に反してシャルの身体は動いてしまった。10mもある巨人と高々1.5mほどの人間が戦った所で普通なら勝ち目などない。がしかし、そうだとしてもシャルはまさに目の前にある人間と相対している存在による支配を見過ごせなかったからだ。
「お前達!そこで何をしてる!」
シャルはフレームゴーレム達に聞こえる様に声を張り上げた。その声に反応したフレームゴーレム達がシャルの方を向き、初めてその存在を認識した。
「オイオイ、いきなり突っ込むバカがいるか」
考えなしに進むシャルに仲間達は呆れていた。だが、それは半分分かっていた事でもあった。
「お前、もしかしてリーナベルをやった勇者とか言うのか?」
司令塔と思われる牛頭のフレームゴーレムから男の声が響く。
「あぁ!私はシャルロット・プランタン!人々から“勇者”と呼ばれているものだ!」
それを聞き、牛頭のフレームゴーレムは天を仰ぎ笑い始める。
「滑稽だな!“飛んで火にいる夏の虫“とはまさにこの事だ!」
すると牛頭のフレームゴーレムは再びシャル達の方を向く。
「ちょうどいい。ここで勇者を倒せば俺の手柄だ。このオルタロス・リ・ヴァケロゥがキャトルタイタンでお前を捻りつぶしてやる!」
「隊長!俺達も」
「いやいい。お前達は塔の方を進めろ」
加勢に入ろうとした仲間を静止し、オルタロスは一人で向かってくる様である。
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