再会、友よ 7
「そもそも、俺とサクヤは元々こことは違う世界のある組織の同じ部隊だったんだ。まあ組織って言っても怪しい物じゃなくて、災害時には救助活動をする事を主な活動としながら、世界の争いの鎮圧をやったりするそういう国際的な物さ」
「違う世界?」
リーナはその言葉に首を傾げた。しかしそのことはお構いなしにイェルクは話を続ける。
「こんな所で躓いてたら先に進まないからな、進めるぞ。さっき俺が乗っていたフェリックス、ハイ・ムーバーって言うロボにもなる戦闘機、アレをみんな乗ってるわけなんだが、ある日の飛行訓練でソレが起きたんだ」
話が進むごとにサクヤの顔色は悪くなっていた。何か自分にとって嫌な事を思い出さされている、そういった風貌だろう。
「突然通信があったんだ、「近くに高エネルギー反応確認、即刻退避せよ」ってね。でもその通信が入った時にはもう遅かった。その時突然、空が割れて俺達は成すすべもなくその亀裂に吸い込まれていったのさ。で、気付いたら俺は全く知らない場所に居た。おそらくハイ・ムーバーが自動操縦で上手い事不時着してくれたから助かったんだろう。で、そこで俺は角と羽の生えた人間に拾われてこの三ヶ月看病されて今こうして恩返しとして働いてるってわけさ」
リーナは次々と入ってくる自分の知らない概念の情報に困惑をしていた。いや、困惑をしていたというよりはあまりの事に飲み込むのを頭が拒絶しようとしているというのが正しいだろうか。しかしイェルクの話で一つだけ理解出来た事があった。
「じゃあ貴方も、サクヤも漂流人だって言うの!?」
「漂流人?」
「この世界で「異世界から迷い込んだ人」って意味だって」
「まあそういう事だな。昔流行った異世界転移って奴だ」
リーナはその言葉で少しだけ今までの疑問が少しだけ分かった気がする。サクヤが時より見せる不可思議な違和感、それはこの世界の人間ではないからだったのだと。
「ミラは・・・、ミラも無事なのか?」
「それは俺にも分からん・・・」
「そうか・・・」
「まあ俺達が生きてこうして再会出来たんだ、ミラだってどこかで生きてるさ」
二人から知らない名前が出てくる。名前の感じからして女性だろうとなんとなくリーナは感じた。
「そのミラっていうのは?」
イェルクが首飾りのロケットペンダントを取り開き、リーナに一枚の写真を見せる。そこにはサクヤとイェルク、そして一人の女性が仲良く肩を組み笑顔で並んでいる姿が映っていた。
「アサヒ・ミラ。いつも3人で飛んでた俺達の仲間であり親友さ」
「じゃあその人も」
「あぁ、俺達と一緒に巻き込まれて行方不明さ」
しばし重い雰囲気となる。しかしイェルクはその空気をささっと切り、食事を始める。
「Das Essen wird kalt. せっかくの美味い飯が冷めるぜ、今は食わないと!」
ガツガツと食事を摂るイェルクの姿に、サクヤとリーナも手を付けられていなかった食事に手を付け始める。




