再会、友よ 4
「アイツ、なんでファイラムを!?」
自身が知っている、しかもフェリックスに装備されているビームファイラムに酷似した兵器を相手が使い、イェルクは驚いていた。しかもその武器は突如手に現れた様子であり、謎のフレームゴーレム・エスペランザの事を侮っていたと後悔をした。そして同時に、お互いのパイロットの技量が同等な事を感じ取るのだった。
イェルクはフェリックスの機動力を活用し最小限の動きで避けながらも、相手を視野から外さない様にしつつ、相手の狙いは自身の殺す事ではないと悟る。本当に殺しにきているならコックピットを狙うはずだ。しかし、相手のビームはコックピットを避けた上で尾翼などを狙って来ており、恐らくは不時着を刺せる事が目的なのだろう、そうイェルクは思った。
フェリックスの機動力で避けながらも相手の照準を狂わせる様に飛行をし、イェルクもフェリックスにあるビームファイラムで相手のバックパックや、飛行補助である竜を狙うが、一筋縄ではいかなかった。なので、イェルクは次の一手に出る。
コックピットにあるボタンやレバーを操作すると、それまで前進翼型の戦闘機だったフェリックスが十数メートルの人型へと変形していく。その変形はわずか数秒の隙を見せぬ速さで行われた。フェリックスの変形が終わると同時に自身を時計回りに回転させながら、人間の脹脛に相当する部分に収納されたナイフを取り出し、手に持つと、同時に加速を駆け、接近戦を仕掛けるのであった。相手の背後に回り込み、バックパックにでも攻撃を当てれば相手の優位に立てる、それがイェルクの狙いだ。
サクヤはフェリックスの変形を見ると、ある事を確信した。
「あの動き、もしかして・・・。ならッ・・・!」
サクヤはエスペランザのビームファイラムを消滅させると同時に、脚でマジードラッヘに掴まり、ゆっくりと両手を挙げた。
「このまま黙ってやられるつもり?」
「まさか。俺の予想が正しければアイツは・・・」
「両手を挙げて降参か?」
しかし、それがもし罠だった場合を踏まえ、イェルクは攻撃の手を止めようとせずに突き進もうとした。その時、相手のフレームゴーレムから声が鳴り響く。
「フレームゴーレムのパイロット、聞こえるか?俺はこのエスペランザのパイロット、アツタ・サクヤだ。貴公はイェルク・ランドウで間違いないか?」
その突発的な声に、イェルクは攻撃の手を止め、ホバリングへと切り替えた。
「サクヤ・・・?サクヤなのか!?」
イェルクはスピーカーのスイッチを入れ、その声に応える様に会話を開始する。
「こちらはハイ・ムーバーⅩ-6 Ⅱ型 フェリックス。パイロットのイェルク・ランドウだ。貴公、アツタ・サクヤと申したか?」
フェリックスからの返答に、サクヤは思わず笑みがこぼれた。
「やっぱりイェルクか!どうやらお互い間違ってたようだ、一度メラルへ着陸して話せるか?」
「あぁ、問題ない!」
リーナにはさっぱり分からなかった。何故相手が誰か分かったのか、何故両者は互いの事を知っているのか。謎が深まるばかりだった。
「どういう事なのよ」
「それは降りてから説明するよ」
サクヤの顔は嬉しさのあまり、涙がこぼれそうになっていた。何故そんな泣くほどの事なのか、やはりリーナには分からないものだった




