ディナルド 4
ディナルド王城の謁見の間。そこではストルツの二度の無断出撃についての訊問が行われていた。一度目は不問であったが、短期間に二度目とあらば見過ごされるものでもなかった。ディナルドの七部隊はそれぞれ半独立状態で運用されている。しかし自由と言え、完全な自由にすると反乱の可能性も生まれてしまう。だからこそ必要最低限の監視・管理は必要となり、そのため、処罰の可能性も生まれてくる。だが、ストルツも転んでもただでは起きない男である。二度の出撃で見たエスペランザの情報を手柄とし報告をしていた。
しかし、国王・ヴェルドにとって、ストルツの弁明は些細な事である。ヴェルドにとって国から、職務から離れたリーナはもはや眼中にはなく、リーナの操る謎のフレームゴーレムも自身に盾突く事が無い限りは問題視する必要性が無いからである。
「エルピロ」
「はっ」
「ストルツの情報をお前はどう思う?」
ヴェルドは両脇に居る補佐官の内の一人、エルピロに質問をする。彼は技術職にも精通しており、邦のフレームゴーレム関連の仕事も指揮しているため、今回のフレームゴーレムの絡む一件においては彼の方が見定められると判断したからだ。
「私としては今回の情報はかなり有意義な物だと思われます。リーナベルの操るフレームゴーレムも情報収集を進めれば我らの持つフレームゴーレムへの更なる強化が図れるため有益だと思われます。監視の目を付けさせるか、場合によっては鹵獲する事も視野に入れて動くべきかと」
「ふむ・・・」
「無断出撃の件、ストルツ様には寛大なご処置をしてもよろしいものかと」
「そうか・・・」
補佐官であるエルピロの発言を受け、ヴェルドは少し考える。
「ストルツ」
「はっ」
「お前には一週間の自室軟禁を言い渡す」
「寛大な処分、感謝いたします・・・」
ストルツがそう言い残すと、ヴェルドは近衛兵にストルツの連行を命じ、ストルツはそれに大人しく従った。
「ラウラ。今日の私の公務はこれで終わりか?」
ラウラ。彼女もまた補佐官であり、主にヴェルドの秘書の様な役割をしている。
「はい、以上となります」
「分かった。私は少し席を外す。エルピロ。ラウラ。お前達も休んでいろ」
ヴェルドはそう言い残すと謁見の間を去る。その後ろ姿を見送った後、補佐官であるエルピロとラウラは持ち場を離れるのであった。
ヴェルドは王城の一室へと入っていく。そこでは一人の男がベッドで横になっており、暇そうにしていた。
「イェルク、少しいいか」
「なんだ、ヴェルドか。夕食の時間だから、てっきり可愛いメイドさんが飯でも持ってきてくれたかと思ったのによ」
「それはすまない。ところでもう身体は動かせそうか」
「もう元気すぎてずっと暇してるさ。さっさと愛しのフェリックスでも飛ばして、リハビリでもしたいもんだぜ」
「そうか。ならばお前に頼みがある」




