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帰路 1

サフラト村では復興作業が続いていた。もう既に4日ほど経ったので竜の亡骸の処理は終わっており、また、目立つ瓦礫にも作業が取り掛かり始められていたため、大通りはそれなりに奇麗になり始めている様子が伺える。陽は傾き始めたため皆が作業を終わらせ、避難所や家に帰り始めた頃、村人が北の空で何かが飛んできているのを目撃する。それがまた竜ではないのか、人々は不安になった。段々とその影が近づいてくると、竜の影の上で何かが手を振り始めた。皆が警戒しながらもそれを見てみると、それはサクヤとリーナの操る巨人・エスペランザの姿であった。その影が一度村の上空を通りすぎると、人が少ない場所を見計らって着陸をする。エスペランザを乗せた竜・マジードラッヘが着陸をしてしばらくすると、エスペランザから光が飛び出しサクヤとリーナになり、その後エスペランザがサクヤの手の中に水晶玉となり収まった。その後、マジードラッヘからも光が飛び出し、それが子供の竜・リュードになった後、マジードラッヘも水晶玉へと変化し、リュードの足元へと行った。村人たちはそれにワラワラと集まり始める。サクヤはその人だかりに挨拶を交わしながらダグラスを探し、ダグラスが居るであろう場所に向かう。すると、その騒ぎもあってかダグラスもサクヤの方に向かってきたため、すぐに鉢合わせることとなった。

「サクヤ、もう戻ってきたのか!?」

「えぇ。とりあえず色々と報告が」

「分かった。ここで立ち話はなんだ、場所を変えよう」

サクヤとリーナとリュード、そしてダグラスは役場へと向かい、役場内にある応接室へ入っていった。そこで山であった事を話す。あの竜の暴走は恐らく魔族である謎の人物・クラウンによるもの。収穫はそれだけではあるが、その情報一つでも重要なことだろう。そしてもう一つ。竜の子供を拾った事である。


「なるほど」

ダグラスはその事を大まかに把握し、納得した。

「しかし、そのクラウンという人物の容姿などは分かるか?」

「それが姿は見せなかったので、女であることしか・・・」

「ふむ。リーナベルは何か知っているかな?フレームゴーレムを使うのなら魔族の可能性が高いだろう?」

「残念ながら私も知らないわ。・・・待って、どうして私の事を?」

咄嗟のことにリーナとサクヤは警戒をした。

「村中でアレだけの事をしたんだ。3日もすればそのような話も自然と耳に入ってくる」

「それもそう、ですね・・」

「だからと言ってなにかあるわけではないさ。現状協力的だからな。とにかく、そのクラウンという人物は要注意人物として報告しておこう」

「報告は以上です」

そう言い残すとサクヤは立ち上がろうとする。

「ちょっと待ってくれ。まだ報酬を渡していないからな」

そう言うと、ダグラスは懐から袋を取り出し、サクヤ達の前へと差し出す。

「二人で大金貨6枚と言ったところだ」

「そんなにも、いただけませんよ」

大金貨。それはこの世界では1枚あれば一ヶ月は生活出来るほどの価値である。その多額の量の報酬を受け取る事をサクヤは躊躇した。

「こちらの勝手で民間人に危険な仕事を頼んだんだ、これくらい払わないと示しがつかないだろう」

「でも、だからと言って」

「いいじゃない。くれると言うのなら貰っておきましょう」

リーナは差し出された袋を自分の手中へと治める。

「そんな、図々しく」

「いや、サクヤ。リーナの言う通りだ。受け取ってくれ」

「・・・分かりました。ありがたく受け取らせていただきます」

二人は諸々を済ませると、その場を後にする。すると、建物の外でランドが待っており、こちらに気付くと手招きをした。


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