山へ 9
「ありがとうリーナ。助かったよ」
サクヤとリーナはフレームゴーレムから降り、休憩をしていた。そしてリーナの肩には子供の竜が乗っていた。
「しかしその竜みたいなのは一体?」
「あの穴の奥にあったの。どうやら名前はマジードラッヘらしいわ」
「竜のメカ、マジードラッヘ・・・」
サクヤは少し考える。
「なあ、その竜飼わないか?」
「この子を?」
その提案にリーナは驚いた様だった。
「その子の親を奪ってしまったのは俺たちだしさ。それにリーナに懐いてる様だし」
「まあいいけど・・・」
子供の竜はリーナに頬ずりをしている。どうやらかなり懐いたのだろう。
「名前はそうだな・・・。竜・・・。ドラゴン・・・。リュードでどうだ?」
子供の竜は「ピィピィ」と鳴き、喜んでいる様である。
「早速だけどさ、リュード。マジードラッヘで俺達をサフラトまで運んでもらえるかな?」
リュードは頷くと、マジードラッヘへと向かう。どうやら乗り込み方はエスペランザと同じ様で、光になって消えていった。すると、準備が出来たのか、マジードラッヘが少し浮き上がる。それを見たサクヤ達はエスペランザへと乗り込み、マジードラッヘの背中に乗る準備をする。
「アナタが前なの?」
「両手で捕まらないと危ないだろ?」
サクヤはマジードラッヘの背中に乗ると、両手でガッチリと掴み、通信を繋げた。
「リュード、こっちは準備出来た。飛べるか?」
それに答え、マジードラッヘがだんだんと空へと浮き上がり、飛行を開始する。
「南方向に向かってくれ。って、竜に南とか伝わるかな?」
「さあね」
サクヤは頑張って村の方向へと誘導する。
「そういえばさ」
「どうかした?」
「さっき、名前で呼んでくれたよな?」
サクヤは嬉しそうに話しかける。リーナは少し振り返ると確かにそうしていた事に気付き、少しムズムズとしてしまう。
「これからもよろしくな、“リーナ”」
「・・・分かったわ、“サクヤ”」
陽が落ち始め、橙色に染まる空。その空は、二人の思い出に残る空となっただろう。




