山へ 8
「サクヤーッ!」
リーナは思わず叫んだ。果たして間に合うのかは分からない。しかし落下するエスペランザに竜のフレームゴーレムを急がせた。なんとか追いつくと、エスペランザの首回りを足で掴む。
「リーナか!?それは?」
「詳しい話は後。それよりも今はアレをどうするかよ」
突如現れたフレームゴーレムの竜、それにクラウンはまたも驚くしかなかった。
「リーナ、俺に考えがある」
サクヤはそう言うと、再び右手にビームファイラム、左手に蛇腹剣を生成する。
「どうすればいいの?」
「俺をアイツに向かって投げてくれ」
「分かったわ!」
リーナはサクヤの提案に了承すると、勢いをつけ、エスペランザをハッサーノに向かって投げる。
「何をしようと、無駄なこと」
クラウンは再び影に隠れようとする。しかしサクヤは見逃さなかった。
「ファイラムは、斧にもなるッ!」
エスペランザの右手のビームファイラムが斧へと変形する。するとサクヤはそれをブーメランかの様にハッサーノへ投げつけるのだった。その突拍子のない攻撃にもハッサーノは対応し、避ける。しかし、それは罠だった。
「本命は、こっち!」
左手に持った蛇腹剣を伸ばし、避けた先のハッサーノへ巻き付け逃げの手を塞ぐ。すると、その勢いのままエスペランザは両手でハッサーノを締め付けている蛇腹剣を振り回す。そして、その回転に勢いが付くと同時に剣を解き、砲丸投げかの様にハッサーノを投げ飛ばす。サクヤはすかさず正面にハッサーノを捉え、右腕を構え、左手で支える。
「これで終わりだ!喰らえッ、ロケットォ、パァーンチッ!」
すると、その掛け声と共に、エスペランザの右腕前腕が射出される。飛ばされた右腕は火を吹きながらハッサーノへとまっすぐ飛んでいく。
「腕だとッ!?」
突如空中へ投げ出されたクラウンは、その攻撃にどうする事も出来なかった。飛んできたロケットパンチはハッサーノの腹部を貫き、上半身と下半身を分裂させた。
「やったか!?」
すると、突如新たな飛行物体が現れる。それはハッサーノに近づく。
「クラウン、早く脱出しろ!」
その声はストルツだった。その通信を聞き、クラウンはハッサーノの脱出ポットを射出すると、飛行物体に掴まれる。
「リーナベル、今回は見逃そう。がしかし、次に会った時は必ず取り戻す。私の治めるニードで待っているぞ」
そう言い残すと、ストルツのフレームゴーレムと思われる飛行物体は去っていった。
「ストルツ様、どうしてここに?」
「お前の事だ、どうせあの時山に何か仕掛けていたのだろう。だからあの場所でのフレームゴーレムの反応を見ていただけだ」
「まったく・・・。しかし今回は助かりました」
「勝手に動くからだ。戻るぞ!」
ストルツのフレームゴーレムはワープポイントへと向かっていく。




