山へ 5
「女性を護るために盾になるとは、美しい騎士道精神ですね」
ハッサーノは拍手する素振りを見せ、讃えているようであった。
「そんなもんじゃないさ、ただこれ以上、失う事を増やしたくないだけさ!」
サクヤは蛇腹剣を出し、ハッサーノに突撃しようとする。
「おっと、あなたにはまずこれの相手でもしてもらいますよ」
ハッサーノが五つほど黒い球体を投げると、それが巨大な黒い人型へと変化していく。その姿はハッサーノに近く、しかし違うものであった。
「なんだ!?」
「私の手下のシャドウですよ。小さいのはあなた達の監視にも使わせてもらいましたけどね」
「じゃあ、リーナの感じていた視線ってのは・・・」
考える暇もなくシャドウは一斉に襲い掛かってくる。それらをサクヤは剣で応戦し、時には鞭の形にして一斉に斬り払いをする。シャドウ達はその攻撃で倒れるも、またすぐに起き上がり、攻撃が効いている素振りが無かった。エスペランザに勝るシャドウの機動力により、サクヤはジリジリと追い詰められていき、遂には5体全てに取りつかれてしまう。
「では、私はリーナベルを捕まえに行きましょうか」
クラウンがその場を去ろうとする。しかしそれはなんとしても阻止しなければならない。サクヤは力を振り絞りシャドウ達をなんとか振り払う。
「こうなったら・・・」
サクヤは剣を左手に持ち替え武器をイメージした。すると、エスペランザの右手に銃が現れる。
「また新しい武器だと!?」
その現象にクラウンは驚いた。あの村で竜と戦っていた時も起きた現象、それがまた目の前で起きたからだ。
ひるまずに立ち上がったシャドウがまたエスペランザに襲い掛かろうと飛び掛かる。
「ビームファイラム、喰らえ!」
サクヤはそのシャドウに銃口を向け引き金を引くと、先端が光り、その直後にビームが発射される。そのビームはシャドウの胸部を貫き、そのままシャドウは爆散していった。
「光の銃だと!?」
その攻撃にクラウンは驚きを隠せなかった。
「やっぱり銃の方が、使いやすいなッ!」
サクヤは蛇腹剣とビームファイラムを駆使し、次々とシャドウを倒していく。




