依頼 4
それからのサクヤの行動は早かった。サクヤは自身の家にあるものを粗方把握しているため、今回の山の調査、具体的には村に戻るまで長くても一週間ほどの期間をどうにか出来るほどの物資を調達するためにまずランドを頼った。
「なるほど。そら大変な事になったな。何を用意すればいい?」
「小型でもいいからテントを。後は携帯食料と軽いキャンプ用品があれば」
「それくらいならすぐに用意出来るぜ。オイ、デル!」
「はーい」
ランドに呼ばれてきた青年・デル。彼はランドの手伝いをしている人間であり、恐らくサクヤよりも若いだろう。
「すまねえ。こっちも手が離せないから、必要な物はデルに頼んで店から持って行ってくれ」
「わかりました」
「請求は調査に来てるダグラスって人に言えばいいんだな?」
「えぇ、そのはずです」
「分かった。気を付けて行けよ」
「ありがとうございます」
サクヤはランドとの会話を終わらせると、リーナ、そしてデルと共にランドの店へと向かう。
「小型の折り畳みテント。寝袋が二つ。小型鍋が一つ。携帯食料が20個。これで大丈夫です?」
「あぁ。ありがとうデル。それと、リーナが使える大きめのリュックもあるかな?」
「えぇ、ちょっと待っててください」
デルはまた店の倉庫へと戻っていく。
「私も持つの?」
「流石にこの量を一人では無理だよ」
「大体、フレーム・ゴーレムを使えばいいでしょ」
そうするとデルが戻ってくる。
「お待たせしました。しかしサクヤさん、確かにリーナベルさんの言う通りあの巨人を使えばいいんじゃないです?」
「寝泊りするくらいなら出来るかもしれないけど、アレで山登りは無理だよ。慎重に行かなきゃいけないからさ。まあ空でも飛べるなら別かもだけどさ」
サクヤはデルの持ってきたリュックを手に取り見た後、リーナに渡す。リーナはそれを受け取ると、片腕を上手く使い背負ってみるのだった。
「どうですリーナベルさん?片紐だけのリュックは」
リーナはその場で軽く動き、ズレる事はないか、動きやすいかを確認した。
「いいわね」
「じゃあこれも貰うよ。ランドさんにも言ったけど、請求はダグラスさんにしれくれ」
「お買い上げありがとうございます。しかしさっきも言いましたけどやっぱりあの巨人を使った方がいいんじゃないです?簡易テントとは言え毎日のように組み立てたり畳んだりするのは大変ですよ?荷物にもなりますし」
「確かになぁ・・・ちょっと外で確認してみてもいいか?」
「えぇ」
サクヤとリーナとデルは店の外に出ると、サクヤは水晶玉を天に掲げエスペランザを呼び出すと、リーナと共に取り込まれる。
「座り心地は悪くないんだけど、これで寝るのはな」
すると、その言葉を受け取ったのか、突然座席が変形し始め、眠りやすい体勢になるような形になり、さらに顔を光から遮断するかのように半透明な黒いバイザーの様な物が出現する。
「へぇ、中々いいじゃない」
「だな。これなら確かにテントは要らないな」
サクヤとリーナは寝心地を確認するとすぐにエスペランザから降りた。
「どうでした?」
「デル、君の言う通りにするよ」
「分かりました!じゃあこのまま家まで運んじゃいましょ、手伝いますよ!」
「ありがとう、デル」




