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祭りの夜 1

村祭りの日。その日は普段なら皆家に帰り始める夕方の時間でも村は賑わいを見せていた。祭りが始まる前から屋台の飯を食べる者、酒盛りをする者など様々である。普段賑わっている時でもここまで人が集まることはないだろうと言えるほどの人だかりであり、人ごみに入ってしまうとすぐにでも迷子になるかもしれないほどである。祭り参加しないが、宿の上から眺めている人なども居る様子ある。露店では飲食物以外にも、景品の貰えるゲームなどもあり、子供も大人も楽しんでいる。

「おー、サクヤ!こっちだ!」

ランドは自分の店の前でシャル達と一緒にサクヤとリーナを待っていた。

「遅れてすみません」

「なーに気にするな。祭りはまだ始まっちゃいないからな」

サクヤとリーナが集合すると、皆で祭りを回り始める。露店で飯を食べ、ゲームをし、皆思い思いに楽しんでいる。

「しかしまあリーナベルと一緒に祭りを回る事になるとはな」

「ほんとそうだよね。つい三日ほど前に戦った相手なのに」

「俺の故郷に「昨日の敵は今日の友」なんて言葉もありますし、今仲良くできてるならいいじゃないですか」

「別に私は友になった覚えはないけど?」

「少々癪だが、リーナベルに同意だな」

「あら、意外に気が合うじゃない」

サクヤは「まあまあ」と言いながら宥める。犬猿の仲というほどではないがあまり仲は良くない二人であるが、流石に祭りの夜までは喧嘩をしようとはしないようである。

「そうだ!せっかくだし巨人像の前で写真を撮らないか?カメラも直してもらえたことだし」

「写真?なんですそれは」

「おぉ、この前直したのか。せっかくだし使ってるところを見せてくれよ」

皆はサクヤの指示通りに巨人像の前に並ぶ。サクヤはカメラを構え、人が横切らないタイミングを見計らい、シャッターチャンスを狙う。

「じゃあいきますよ。はい、チーズ」

カシャと言う音が鳴ると、サクヤが「カメラ」と呼ぶ機械の下から紙が出てくる。皆がその紙に集まるが、白紙であった。しかししばらくすると段々と紙が色づいていき、リーナ達の姿が紙へと現れた。

「これは凄いな」

「不思議ですね、一体どこでこんなものを」

「俺の故郷のものなんだ」

サクヤはどこか懐かしそうな目でカメラを撫でる。

そうこうしていると、すっかりと陽は落ち、村長の挨拶と共に祭りが始まる。村の女性が中心となり巨人像を囲み、何かの踊りをしている。周りの人達は手拍子をしたり、雑な合いの手を入れたり、ガヤを飛ばしたりと様々である。皆思い思いに秩序を守った上で騒ぎ、楽しんでいる。そんな平和な日は守衛を務める人達も仕事はしながらも楽しんでいた。

しかし、その平和な祭りに、突然終わりが訪れる。


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