サフラト村 8
リーナはホットワインを一口飲むと話始める。
「この世界では500年前に空が割れる現象が起きたらしいの。」
「空が割れる・・・」
「空が割れた時は街や人が吸い込まれたらしいわ。それこそ世界が滅ぶんじゃないかと思えるほどにね。そして吸い込みが終わると空には見たこともない虫の様な魔獣、そして巨人が戦っていたらしいの」
「その巨人ってのが?」
「そう、私達がフレームゴーレムと呼んでる物」
サクヤにとっては想像を絶する話だった。遠い昔にその様な事が起きたとは思わなかったからだ。
「そして空が元に戻ると残った物は謎の魔獣とフレームゴーレム、そして異界から来たと騙る人間だったそうよ」
「人間?フレームゴーレムだけじゃなくて人間?」
「そう。そういう人間を私達は漂流人と呼んでいるわ」
「漂流人・・・」
「そしてその漂流人の中にフレームゴーレムに詳しい人が居て、この世界でも、つまり魔力でフレームゴーレムを動かせる装置を作ったらしいの」
「それでリーナもフレームゴーレムを動かせると」
「そういう事ね」
話終えるとリーナはホットワインを飲む。するとさらに話始める。
「最近、小規模だけど500年前と同じ現象、私たちが空割と呼んでる現象が起きているらしいの。もしかしたらどこかにフレームゴーレムや漂流人も居るかもしれないわね」
「居るといいな、どこかに・・・」
リーナから見て一連の話を聞いたサクヤの顔はどこか寂しそうだった。まるでどこかの誰か、もしくは自分の何かに思いを馳せているかのように。
二人は残りのホットワインを飲み終わる。
「じゃあ今日もベッドでいいぜ」
「床でいいわ、ここまでさせているんだから」
「そう遠慮するなって。それに、客人を床に眠らせるなんてこと、俺には出来ないからさ」
「分かったわ。どうせ嫌と言ってもアンタは昨日みたいにするでしょ?」
サクヤは頷く。
二人は寝床に着き、眠るのだった。




