生きるという事は
この世の全てが憎い。
と、京阪電車の特急が同志社大学前深草の駅を通過していくのを見ながら私は思った。
同じ駅を利用する大学生たちと比べると私は年をとってしまっている。毎日毎日、鏡を見るたびに小じわが増えているのに気付かされて、年老いていくのを感じる。それを周りに指摘されるのも腹立たしいが、それと同時に、何よりも辛いのは、それを指摘してくる上司もまた、日に日に歳をとっているというのを気付いてしまう事だ。
先日、好きだったアーティストが年齢を理由に引退した。
好きだった俳優が、アイドルが年を取っていく。
時間の流れの残酷さに私は憎しみを抱かざるを得ない。
過ぎ去っていく時間に私は憎しみを抱いているのだ。
それを、この世の全てと思っているのだ。
若いというのが憎いのではない。
その、若さを奪っていく時間というものが、憎いのだ。
だが、それに対して、私は何もすることが出来ない。
電車が、また、通り過ぎていく。