精霊の御使者様が選びし私
お読み頂き有難う御座います。
従兄弟だらけですが、従姉妹も増えます。
「それで、何で私は可憐な16歳で、アンタ達は老け……歳をとったの? その精霊漬けのせいなの?」
「そうなんです」
背が伸びたライナルことライくんが、コクリと肯定してくれたわ。
うむ、中々良い青年に育ったじゃないの。思ったより……いえ、大きい……。横の従兄弟達と比べると頭半分は高いのね。
比較対象がショボい従兄弟達だから、彼のイケメンさが際立つこと。
「おい今、また老けたって! また言ったぞ」
「しかも可憐って……どのツラ下げて」
「何ですってえ!? ウチの腹立つ従兄弟共は、顔からして横にボリュームが出たじゃない! チャレスなんて元々顎からオッサンフェイスじゃないの!」
「何だとおおおお!?」
「落ち着いて従兄上! 元々そんな顎だよ!」
「煩い!」
「姫様は激高されても可憐ですね」
「まあ、そう!?」
「その馬鹿者様を眼科医へ診せろ!」
あー煩いわね!
だ、誰か落ち着きのある理路整然とした説明トークをしなさいよ!
「全く、駄目ね。男共は」
「私達が居ないと本当に役立たず!」
「従姉上様が来てどうにかなるのかしら……」
「あっ、カリエンにロリゼタ……と、誰!?」
「何でアイツラは即座に分かるんだよ!?」
イウタが煩いわね。
どうでもいいけど、カリエンにロリゼタと知らない子供……。カリエンとロリゼタの三十路手前で……変な決めポーズはイタイわよ。何してんだこの子らは。
しかしこの知らない子の……派手派手しいピンクの髪は間違いなく王族ね。顔は……スエーン侯爵家の顔立ちかしら。元末王子の要素は頭髪だけ……。顔立ちが母親似で可憐だからけたたましいピンクに負け気味ではあるわね。
「スエーン侯爵家のエリエです、従姉上様」
「姫様がお眠りになられてからお産まれになった方ですよ」
ほう、ライくんの方がマトモな説明が出来るみたいね。ちょっと頼りないかと思いきや。
そして元末王子の家に待望の女の子が生まれていたとはね。
「叔母様のお腹に居た子がこんなに大きくしっかりして可愛らしくなって……。
それに引き換えカリエンにロリゼタ、相変わらず落ち着き無いわね」
「失礼極まりないわね!」
「ちょっと若いからって図々しいこと! シャンティ!」
「お前らが来たら余計狭いだろ!」
……う、煩いわ……。
悉く煩いわ。しかし、カリエンは身長が伸びただけ。ロリゼタはあんまり伸びずに太……いえ、ふっくらしただけね。
従兄弟達と違ってビフォーアフターが劇的じゃないみたい。
……ライくんは精悍なイケメンに……まあ、子供の頃から素養は有ったしね。
で、結局ライくんは何なのよ。精霊の御使者様っぽいムードは出してるけれど……。神託はどうなったの。覆らなかったのかしら?
「……それで、何しに来たの?」
「そりゃ、シャンティと精霊の御使者様とのハッピーマリッジをお祝いする為よ」
「……聞いてないんですけど?」
え、何時何処でそんな事態に陥ってるの?
ハッピーマリッジ……幸せな結婚!?
「精霊の御使者は、俺です」
「でしょうね!? この流れで従兄弟達なら吃驚よ!」
やっぱり神託は有っていたのね……。
んん?
ってことは。
「ねえ、ライくん。ライくんが私を選んだの?」
「はい」
「それで何で私がその、ピンクの粉まみれの精霊漬けになるのよ」
「え、ええと……その」
「早く言わんか、愚か者……様!」
成る程。チャレスが中途半端に遜りながら、怒声を浴びせてるのは、ライくんが精霊の御使者だから?
……精霊の御使者って、王太子より立場が上なのね。
「……あの、姫様。それは」
「おお、シャンティ!目覚めたのか!!」
「シャンティ! まあ、何だか粉まみれで小汚いわね! 取り敢えず家に帰りましょう」
……い、いい所でお父様とお母様が……。
「精霊の御使者様、それで宜しいですわよね?」
「えっ、折角来たのに……」
「お父様お母様、話が丁度いい所で」
「家に、帰りましょうね」
あ、圧が強いな……。
でも、十年ぶりなのだものね。仕方ない……のよね。
お父様の派手派手しいピンクの髪に混じる白髪が……お母様は目立たないな。
でも、涙ぐんだその目尻の皺が……確かに時の流れを知らされてしまったわ。
両親である元第三王子夫妻が迎えに来たようですね。




