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とばっちり騎士は、呪われ令嬢に勘違い気味な愛を捧げる  作者: 宇和マチカ


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12/23

思っていたのとは違うもの

お暑い中、お読み頂き有難う御座います。

シャンティが推しから先制パンチを喰らいました所から、始まります。

「貴女は、再従兄弟の、いえマッシブスパーキン家の境遇をご存知でないでしょう?」

「え、ええ……」


 そりゃ知らないわよ、どうしましょう。

 推しから憎まれているのも、だけれど。ライくんを返せって言われるとは……。

 確かに未だ何の愛も育めてはいないけれど、何か……何かモヤモヤするのよ。


 ……その仰っしゃりようは、まるで。

 ライくんと、その。

 親族愛よりも濃いものを築いて……いやいやいや。

 ピカッテール様、いえ、カゲッテーラ様は……御歳お幾つかな。私の歳より5つ上。三十路でらっしゃるわよね。

 控えめな赤いドレス姿なのに、神々しいイケメンぶりが後光となって、実に眩いわ。


 頬を染めてる場合じゃなくてよ。

 も、モヤモヤする。

 ヴェールに包まれた事柄が多すぎて、知らないことだらけ。それなのに、何も知らず混乱する私に決断させようって……傍若無人ではないのかしら。


「……私、伯爵に何かしたかしら」

「いいえ、何も」


 その割には言葉の奥に刺々しさを感じるんだけどなぁー? 気の所為ー?


「ライくん……ライナル・スパークル様に見初めては頂いたけれど、私個人は彼を理解する間も無く精霊つ……精霊によって時を超えることになったわ」

「……もしかして、精霊は見えましたか」

「え? 精霊って見えるの?」

「人によりますが」


 ひ、人によるんだ。見える人居るんだ……。


「もしかしてライくん、ライナル様は」

「それは私の口から申し上げることでは御座いません。シャンティ様、あの子を解放してください」


 お、押しが強いな。眼力も強くて頭が吹っ飛びそう。でも、でもね。


「お断りしますわ」

「何故。貴女に勘違いの愛を捧げているのですよ。そのせいで十年も眠りにつく事になったのに」

「その辺りの詳しい説明が欲しいところですが、兎に角。

 ライナル様との交流を止めろとのお願い、お断りしますわ。マッシブスパーキン伯爵」

「何故。貴女の為にならないのに」

「大した交流も出来ていないご縁は、切り捨てません。ましてや他人のお言葉でそっぽ向くだなんて、ポリシーに反しますの」

「……」

「交流をお断りするにしろ、このご関係を進めるにしろ。私は、ライナル様とお話し合いの上決めます」


 いや勿論色々言いたいことはあるわよ。説明もないし説明もないし説明もないし!


 でもね。

 差し出口突っ込まれて関係を終わらせるだなんて、幾ら推しの言葉でも納得出来ないわ。

 ライナル様……ライくんが何だか分からないにせよ、私を望んでくれた訳でしょう?

 それを無下にしろだなんて、そんな事しないわ。

 親戚だか何だかよく分からないけれど、身勝手よ。


「後悔しますよ」

「ライナル様を一方的に無下にする方が、後悔しますわ」


 あの青い瞳を思い出す。

 泣きじゃくっていた幼い日の瞳。

 そして……かなり慌ててはいたものの、真摯に私を見つめていた、青年の瞳を。

 ……何か忘れているような。


「本当に、後悔しますよ。貴女の御為に申し上げました」


 ……微笑みながら圧を掛けて、帰っていかれてしまった。

 うう、……悪く思われたでしょうねえ。


「……お、お嬢様……」

「……あ、足が……」


 ピカッテール様いえ、カゲッテーラ様が後光差しそうなお姿でお帰りになった後。

 いやもういかん。凹んでる場合じゃないのよ。もう、推しは止めるわ! だから、あっちに敬語をつけてはならんのよ。私自身は低いけど王位継承権有るんだから!

 でも……体は正直ね。足が竦んで……ガクガクブルブルしていたわ。嬉し震えなのか、ビビり……!?


「いいえ、ビビってないわ。これは、運動不足よ!」

「た、確かに……精霊漬けに為られてましたしね……」


 同意されると同意されるで腹立たしいわね!

止めろと言われると止めたくなくなりますね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 大雑把と思いきや、結構考えて動いている漬物令嬢。 [気になる点] 話が拗れているのはご両親からの説明が無いからだと思うのですが。 古漬令嬢になんの責任も無いと思います。 推しに罵られて気…
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