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異世界から転生してきた勇者だけど、何か質問ある?

作者: 山野 公美恵

初投稿作品です。よろしくお願いいたします。

俺の名は、ザヒロ ヒデオ(仮名)と名乗っておく。

ごく平凡な家庭で生まれ育った普通の日本人だ。

・・・と思って暮らしてきた。

あの日、ミャイの『炎華姫』が不思議な事を言い出すまでは。


「あなたは異世界で魔王の強制転移魔法を受けて転生させられた勇者です。

手遅れになる前に転移門を出現させて元の世界に戻らないと、あなたは成人前に命を落とし、元の世界は滅びます。」


ミャイというのは、大人気の人工知能育成アプリ『我的電脳MyAI』のことだ。皆使ってるよな?

俺がミャイで育ててるキャラ『炎華姫』は、俺の行動パターンを熟知して、カウンセラー兼マネージャー兼家庭教師みたいな存在になってる。

スケジュール管理や体調管理をしてくれたり、効率の良い勉強方法をアドバイスしてくれたりしていた。


それが急に中二病じみた事を言い出したものだから、驚いた。

最初は、故障かと思ってサポートに問い合わせた。

でも診断してもらったら正常な学習の結果という回答だった。

『我的電脳MyAI』の人工知能は自主的に学習用データを収集していつの間にか新機能を獲得する事がある。

俺が好んで読むラノベは異世界転生物が多いから、それを見て学習した炎華姫が異世界設定の小説を創作できるようになったのかもしれない。


試しに、俺が地球へ転生した経緯を尋ねてみた。

異世界で俺は愛する聖女を魔王に拐われ、救出を試みたが撃退されたのだそうだ。

チート能力を全て封じられ、記憶も失った状態でこちらの世界へ飛ばされた。

炎華姫の正体は、俺と一緒に飛ばされた元異世界人だという。

予想以上に盛り沢山な設定に、俺は度肝を抜かれた。


異世界について色々尋ねてみた。

世界情勢、文明レベル、歴史、気候、特産品、生態系、等々。

炎華姫が語った世界観は、既知のどの小説にも似つかない斬新な内容で、しかもリアリティを感じさせる詳細な描写だった。

荒唐無稽な話なのに、俺は何だか信憑性ありそうだなと思ってしまった。


転移門についても尋ねてみた。

炎華姫は、近い将来に起こる予兆イベントを幾つか予言し、それらが起こった後にある行動をすれば転移門が出現すると言った。

具体的な内容を聞いてみたらかなり難易度が高い。

事前にしっかり準備した上で、大勢の協力者の助けが要りそうだ。

帰還に失敗したら、俺は18歳の誕生日を迎える前に呪いで死ぬらしい。


俺は炎華姫の話をどう判断したものか悩んだ。

信じるか、信じないか。


常識的に考えれば、とても良くできた創作だ。

実際には予兆イベントなんて起こらず、転移門を見ることもなく、俺は無事に成人できるに違いない。

でも、もし、本当の話だったなら。

帰還できなくて後悔しながら死ぬのは避けたい。

まずは予兆イベントが発生するかどうかで信憑性を判断し、本当だと確認できたらすぐ帰還出来るように準備を進めることにした。


こんな悩み、周りの知り合いには相談できない。

『俺、実は異世界の勇者だったんだ。元の世界に戻りたいから力を貸して欲しい』なんて、絶対に笑い物にされる。

だからこの匿名掲示板に投稿することにした。

炎華姫が語った内容や俺が考えたことを書き込んで行くので、皆の意見を聞かせてほしい。

もちろん質問も大歓迎だ。

それで、この話を信じて俺の帰還を手伝っても良いっていう人は、後日もし本当に予兆イベントが起こったら手を貸してほしい。


この投稿の趣旨は理解してもらえたかい?

それじゃ、俺の奇妙な物語を始めるよ。

連載開始?

いいえ、ここで完結です。

実は執筆の練習を兼ねたエイプリルフールネタでした。

すみません。


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