西谷夢央は能天気
2人の生き残りは、病院から外へ。
十八年前では、銃声がひとつ、ふたつ聞こえた。
もちろん、周りの人間は驚いていた。
恐らく、ここまでの血の量は
まだ見た事がないんだろう。
...馬鹿馬鹿しい。
もう既にここまで来ているというのに。
S市のトラッシュの情報は
まだ伝わっていなかった。
しかし、このK市にも既に来ていたという訳だ。
そして、中崎は冷静に考え出す。
(おかしい、いくら犬の足が速いからって、
もうここまで来たのか?)
中崎は、動物と人間でトラッシュ化する
スピードが違う、という結論を出した。
研究所の人体実験でこのことは分かっていた。
“ウィルスによるトラッシュ化と
噛まれたことによるトラッシュ化では、
噛まれた方が何倍もトラッシュ化が早い”
しかし、
動物による実験はまだ行っていなかった。
というか、「行いたかった」のに
出来なかったのだ。
彼はそそくさ喫茶店から出ていった。
人らは通報するだろうが、
いまは構ってられない。
どうせ全て終わる。
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ー現在ーーーー
「ウチは西谷 夢央だ。
で、お前は?」
「...だから言わないと言ってるだろ」
「さっきウチはどうでもいいって
言ったじゃん!
.....てかもう警察機能してないし。」
男は少し口を開く。
「...達夫」
「達夫?うーんやっぱり知らねえ...」
2人はもう外へ出ていた。
細い道、西谷と達夫が出会った場所が左に見えたが、達夫は見て見ぬ振りをした。
西谷は空をしばらく見て、
特に何も得ずに右を見た。
軽トラに気づかず。
「...で、どーすんの?」
「...さあな。お前が今までしてきた
ことを言ってみろよ」
「えーと、逃げて飯食って寝て...。」
こう考えると、なにもしていない。
「はあ。ただの寄生虫だな。こんな世の中に
なってもまだ平和ボケしてんのか?」
「知らねえよ!じゃあ何すりゃいいんだよ?
どうせ滅びるんだから、楽にさせろよ」
人間の殆どは、終わりを怖がっていた。
そんな中こんなにも能天気な女がいるとは驚きだった。
「分かった。じゃあ今からその糞みたいな生活はやめて真実を知りに行こうぜ。」
西谷は苦笑いした。
「なに、それ。厨二病?ウケる」
「ふざけてんじゃねえよお前。この状況で冗談言うアホがいるかオィ?」
「お、おー?どうしたそんなに怒って。もしかして図星だったとかー?まじ笑える」
達央は呆れて顔に手をつけ黙り込んだ。
達央が顔から手を離すと西谷の顔が
目の前に。触れそうな距離で。
達央は慌てて離れた。
また西谷は笑った。




