表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全てを極めし者  作者: ななみっち少佐
8/9

第7話 冒険者

ここは、深淵の森。多くの魔獣が生息し、多くの冒険者が命を落とす場所と言われている。一度踏み入れば二度と生きて帰ることが出来ない。そんな、場所へ足を踏み入れる一行がいた。


「なんつー場所だ。あちこちから強力な魔力が漂ってきやがる」

「ギルマス、私はこの森に一度入ったことがありここがどれくらい危険なのかわかります。なので、一言言わせてもらいますと、この森は三キロほどの感覚で魔獣の強さが変わります。なので、奥に行けば行くほど強くなります」


基本的にこの森は三キロ程度で強さが変わるのだがそれでも、この森の最低魔獣ランクはBなのだ。なので、最低でもAランクがいなくては話にならないのだ。


「そして、坊主がどのくらい進んだのか、それか既に死んでいるのか。これを見極めなければ我々が全滅になることもあるということか」


今回の救出作戦のメンバーはSランクパーティ、炎の監獄。Aランクパーティ、ウルフルズ。Bランクパーティ、漆黒の翼。Cランクパーティ妖精の羽。これほどの強者が1つのクエストに集まることなどそうそう無いのだがこれでも、この森では足りないと言えるほどなのだ。そうこうしているうちに目の前には可愛らしい兎が二匹いた。


「オメェらここにただの兎がいるわけねぇ。十分に気をつけてかかれ!」


ギルマスの命令に続いて、冒険者が魔法による一斉攻撃を放った。それは炎、雷、水、風の四属性の混合魔法で単一魔法の10倍は強くなる魔法だ。放たれた魔法によりあたりは衝撃波に巻き込まれ、冒険者は視界を奪われた。


「え?あぁぁぁ!!腕がーーーーーー!!」

「どうした?だれかやられたのか?」

「妖精の羽のやつが1人、片腕を持っていかれた」


くそ、やはりただの兎ではなかったか。しかし、あの一瞬の隙にやられるとはこれはまずいぞ。


「オメェら一度下がるぞ。視界が見えなきゃ戦えん」


その瞬間、ギルマスの目の前に大きな口を開けて今にもギルマスの頭ごと噛み砕こうとするワイバーンがいた。


「ギルマス逃げてください!!」


冒険者がギルマスに向けて声を荒げるがギルマスはワイバーンの威圧に圧倒され動けないでいた。


「お、俺は.....」

「グギャ?」


ギルマスを噛み砕こうとしていたワイバーンの動きが止まり、そのまま体が灰のように崩れ落ちた。


「なにが起こったんだ?」

「ギルマス大丈夫ですか?」

「あぁ。しかし今なにが起きたんだ?俺は完全に死んだと思ったのだが」


今この場にいる全てのものがなにが起きたのかわからずにいた。しかし、こんな場所で止まっているわけにはいかない。


「お前ら今のうちに他の場所へ移動する...,.」


そう言いかけたところでもう一匹の兎がいないことに気づく、そしてそれに気づくのが遅かったということに。


「グガァァァ!!」


冒険者達は恐る恐る上を見た、そこには大きなドラゴンがいた。しかし普通のドラゴンではなかったのだ。


「あれはなんだ?誰か知っているものはいるか!!?」

「ギルマス....あれは...アッシュドラゴンです」


そう答えたのは炎の監獄のメンバーであったが、その者は体が小刻みに震え、死を覚悟した目をしていた。先ほどのワイバーンをやったのはこのドラゴンなのだろう。


「全員死ぬ気で逃げろ!!」


ギルマスの声が全員に届いたがそれに動けるものは誰一人としていなかった。


「すみません。足がすくんで動けないっす」


アッシュドラゴンは口を大きく開け空気を大きくすった。


「ブレスがくるぞ!!各自防衛に入れ!!」


冒険者達の防御魔法とともにアッシュドラゴンのブレスが放たれた。しかし、そのブレスは冒険者の魔法を破るかと思いきや、それを通り抜け、冒険者の体を灰にした。


「た、助けて!!」

「嫌だ、死にたくな....い」


次々と冒険者の体が灰と化し砕け落ちてった。そして、冒険者たちの悲鳴が収まった同時にブレスも止んだ。すでに、生きているものは炎の監獄とギルマスのみになってしまった。しかも、炎の監獄のメンバーはみな重症だった。


「ここは...地獄か...?」


ギルマスがアッシュドラゴンにたいして投げかけた言葉に呼応するかのように第二射のブレスが放たれた。


「終わった...ここで、皆死ぬのか。坊主を探す前に死んでしまうのか」


そして、ブレスはギルマスたちを包み込.....まなかった。


「良かった。間に合った」


そこにいたのは小さな少年だった


「おじさん大丈夫ですか?いま助けますから!」

「やめろ!こいつはアッシュドラゴンって言ってとてつもなく強い。お前さん1人で敵う相手じゃない。逃げろ」


しかし、少年は気にするな!とでも言うように手を振ってドラゴンへと立ち向かった。これで、少年も死んでしまうのかと、思っていたらドラゴンの悲鳴が聞こえた。


「グギャアアアアア!」

「うるさいな!ファイアランス!サンダーランス、ウォーターランス!!」


三属性の魔法がドラゴンの体に深々と刺さり空から落ちてきた。そして、最後にとても大きなファイアボールを作り出しアッシュドラゴンを消し炭にしてしまった。


「君は何者だ?」


ギルマスの問いに少年は答えた。


「僕はシーラ。空師匠の弟子さ!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ