第6話 最初の難関
「師匠!!魔力のコントロールできました!!」
うん。すごいなー、まだ教えてから2週間しか経ってないぞ。やはりシーラには素晴らしい才能がある。ただ、ここから先はそう簡単には行かないけどな。
「良し!魔力も安定しているし長時間のコントロールも出来ている。そろそろ次の段階に進むか」
「お願いします!!」
やる気満々なのはいいことだ。俺は魔力を操り直径2メートルほどの球体を作った。
「この球をどんな方法を使ってもいいから壊してみろ。期限は1ヶ月な」
「わかりました!さっさと壊してみせます」
さあ何日で根を上げるかなぁ?
1日目
まずは魔力コントロールが出来るようになったから魔法を試してみようと思う。
「ファイアーボール」
僕の発動したファイアーボールは今までとは比べ物にならないくらい強く、王国にいるという宮廷魔術師と同じくらいだった。
「これならいける!!」
そう思い続けて3発を放ち球にぶつけた。衝撃で前が見えなくなり球が割れたのかわからなかったが確かに感触を得た気がした。しかし、僕の目の前に現れたのは傷のない球だった。
「なんで?今ので壊れないなんて....」
この日はほかに氷属性、風属性、雷属性、水属性の4つを試してみたがなんの変化もなかった。
2日目
今日は昨日の反省を生かし新たな魔法を覚えようと思った。それは氷属性のアイスランスと火属性のファイアランスだ。この魔法はただ丸い球体を作るファイアーボールなどと違い槍の形を作らなくてはならないため少し高度な技術が必要となるのだ。まずは魔力コントロールで、炎のイメージを作りそれを槍の形にしてそれをそのまま維持して放つ。簡単に見えるがこれがなかなか難しい。まず、魔力コントロールをせずにフィイアランスを唱えるのは簡単なのだ。詠唱により魔力を体から押し出すだけで勝手に発動できる。しかし、それでは威力は出ない。
「けど、こんなの難しいよ....」
10日目
なんにも進展がないまま時間だけが過ぎて行く。そんな時、僕の近くで魔獣がお互いに戦闘を行なっているところに遭遇した。そして気づいた。魔獣たちは自らの牙や爪、翼などに魔力を纏わせているのだ。おそらくそれによりいつも以上の威力を出している。
そうと決まれば練習あるのみ!!
18日目
なんとか、腕に魔力を纏わせて維持することができた。しかしやはり、これでは傷がつかないのだ。試しに近くに置いてあった刀を魔力で纏い攻撃してみたが結果は変わらず。
30日目
そんなこんなで期限の日になってしまった。
そこへ、見計らったかのように師匠が出てきた。
「どうだ?調子は」
正直なところ、壊したところを見せたかったのだが、実際のところなにもできなかった。
「ごめんなさい師匠。傷1つつけることが出来ませんでした。」
「別にいいさ、そんなこと。実際俺もシーラにあれが割れるなんてこれっぽっちも思っていない。ただ、自分になにが出来るのか考えて欲しかっただけなんだよ」
師匠はこう言ってくれるが僕自身としては悔しさで胸がいっぱいだった。でも、それと同時に僕には分からなかったこの答えが気になって仕方がなかった。
「それで、答えはなんなんですか?」
「それはこうするんだ」
師匠は刀を出し刀全体を魔力で覆い始めた。これは僕のやったのと同じ、けどこれじゃ壊れない。
「お前がやったのは途中まで正解なんだ。ただ、あと少し捻りが足らなかったな」
そう言うと師匠の刀の魔力がさらに凝縮され魔力がただ、刀にまとわり付くのではなく魔力それ自体が刃物のようにうっすらと刀に纏っていた。
「これで割れる」
そう言って師匠は刀を球に向かって一刀両断。僕のやり方は間違ってなかったんだ。ただ魔力の使い方が甘かった。それだけなんだ。
「そして、お前が使っていたファイアーボールだがあれも今みたいに魔力を圧縮させればさらに威力を出すことができると言うことだ」
「師匠!これからも僕頑張ります!!」
僕はこれからも師匠の元で強くなる。そして、いつか師匠を超えて見せる!!
なんか、最近クタクタの毎日です。なにか、アニメでもみたい気分ですが頑張ります!!