第3話 食材巡り
ここ深淵の森では、魔獣、海獣、動物といい、様々な生物が暮らしているが人間が住める環境でないことは確かだ。そのためほとんどの者には理解できないほど、美味しいものなどがある。そんな、森でたった1人堪能しているものがいた。
「んん!!美味い!やっぱりグレンデールはこの時期は美味いな!!」
グレンデールとは海にいる体長5メートルから12メートルの巨大な海獣である。この魚(海獣)はとても鱗が硬く口から水を圧縮した大砲のようなものを打ち出すことでとても強く海の中にいる魔獣ランキング上位に組み込むほどなのだが反面、身はしっかりとした筋肉と脂がのり、最高級に美味いのだ。そんな魚を俺は1週間に一度は食べている。最近は海のものばかり食べているので、森の中のものも食べてくなってきた。
山の中を歩いていること2、30分ひらけた場所に大きな翼と大きな牙を持ったドラゴンが寝ていた。
「見つけた!デスラントドラゴン」
即座に足元に魔力を集め、出来るだけ傷つけないで殺すため体を麻痺させようと魔剣に雷属性の魔力を纏わせ、一瞬でドラゴンの首元まで行きその首を一閃しようとした時、
「グァァァァ」
ドラゴンの咆哮を直接喰らい後方まで吹っ飛ばされた。
「くそ、気づいていながら寝てふりかよ」
今のは完全に殺せたつもりでいたため、咆哮をそのまま受けたがその後すぐに体制を立て直し体後方に魔力を集めクッションにしたためそれほどダメージは無かった。
「グァァァァグググァァァァ!!」
デスラントドラゴンは空高く飛びガルデガルド王国の炎の比にはならないほどの大きさの炎を吐き出した。
「ブレスか、魔法障壁トリプル!!」
ブレスと魔法障壁がぶつかり大きな衝撃が生まれた。魔法障壁は1枚目は一瞬で砕け二枚目がギリギリ砕けるところでブレスを消すことが出来たが、恐らくこれが本気ではないだろう。
「グァァァァ!!」
自分のブレスで生きていたことに腹がたったのだろう。仕方がないが遊びはここまでにしてそろそろ本気で行こうかな。
「契約に従え。蒼炎の楽園。暴風の鉄人。千山尽く泉の影。地に降り注ぎ落雷。我が名は空。魔剣雷刀!!」
召喚魔法により空から落雷の如く一本の刀が舞い降りた。その刀は雷を纏い体の中の魔力と融合し活性化した。
「さて、一瞬で終わらそう!」
右足を一歩前に出した。それだけですでに、遥か彼方上空にいるドラゴンの背中の上にいた。そして、そのまま刀を背中に刺し高出力の電気を流し込んだ。
「グァァァァァァァァァァァ」
ドラゴンの人生最大とも言える咆哮を聞いた。
「これで、終わり!!」
ドラゴンが地面に押し付けられると同時、刀の鋒で溜め込んだ魔力を弾丸のように発射した。
周囲が爆風に巻き込まれた後ドラゴンの死体とともに、ドラゴンの大きな魔石が体の隅からはみ出ていた。
「お!!これは大きな魔石だ!!後で新しい装備でも作ろうかな。じゅるる....まあ、まずは食事だね!!」
流石に持って帰るにもこれは重すぎるから異空間魔法でドラゴンを丸々異空間に放り込んでおこう。この魔法は容量が無限でなんでも入れることができる優れものだが使えるものが極端に少なく、全ての属性を極めたものしか使えないというなんとも不便な魔法である。この後は家へ戻りデスラントドラゴンを美味しくいただきました。