1話 深淵の森
「貴様!何をしている!!」
いま、怒鳴り声を散らし配下の者たちを情けない者たちのように扱っているのはガルデガルド王国の国王である。
「申し訳ございません。ただ今深淵の森の探索を続行しているのですが、魔獣供の数が多くなかなか前進できないのです。」
くそ!この二年間、わしが多くの兵を集め多くの金を集め全てこの日のためにやって来たものを!!まだ進めないだと.....
「ふざけるなー!!!」
国王が怒り散らしながら手に取っていたワインのグラスをメイドに投げつけた。
「全、兵士を集めよ!守りもいらん!!私がでる!!」
国王は本気で出るつもりのようで配下の者共は困り果てていた。しかし、深淵の森の先にはある、者がいた....
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「う....うぁ〜〜わ〜わ〜」
眠い、物凄く眠い。何故かは知らないが最近森が騒がしい。朝から夜までどこかで爆発があり人の悲鳴が聞こえ、魔獣のうめき声が響いている。まあ、そんなことはどうでもいいだろう。
ここは、深淵の森と呼ばれている森のさらに奥に進んだ場所にある広場だ。ここは、森の中なのに奥まで行くと森が一気に晴れ、海に続いている。まあ、長年ここにいるから理由は知っていた。この森の向こう側は昔から海につながっていたんだがこの深淵の森は何もないところを自らの領域にするため魔力をばら撒き森を広げて行くのだ。ではなぜ俺のいる場所が森でないかって?それは俺が止めてるからさ。魔法障壁と物理障壁の二重構造で、森の進行を完全に止めることができる。まあ、詳しいことはこんなところにしておこう。ちらほらとここに近づいてくる者たちがいる。それも数が千や二千でなく万単位でいる。
「着いたぞ!ここが未開の地のさらに先にある場所か!」
ここにたどり着いたのはガルデガルド王国の国王とその一行であった。貴族のような光り輝く装備をした者もいれば冒険者、また平民のような質素な装備の者もいた。しかも平民に関しては目が死んでいる。志願制ではなさそうだな。
「国王!恐らくですが希少度8の金属があります」
希少度とは1〜10まであり、1〜3が平民や冒険者などがよく扱うもの、4〜5が貴族など、6〜8が国で扱ったり国宝にするレベルである。まあ、その金属は俺が状態魔法の成長増加で作ってるから取らないで欲しいんだけどなぁー
「こちらにはアメシンガ鉱石、ミレリッド鉱石まであります。これは宝の山ですよ!!」
「よし全員、これら全て荷物に入れて持帰れ!一つとして、残すな!!」
あちゃーこれはまずい。流石にここ俺の場所だから不法侵入(なんにもお知らせしてないけど)してるから別に彼らが死のうが何されようが俺には罪ないよね?ないね?よし!でてってもらおう!!