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弱気な私の弱気な恋  作者: 黒田 容子
6/11

悪いことの後には 良いことがある

きっと今日は、ツイてるに違いない。

ルンルン(死語?)で、接骨院の階段を登った。


良いことが2つあったの。


一つは、例のよく喋る2歳児。

お母さまがお迎えに来たことが分かり、インターフォンに向かって「お支度始めまーす!」叫んだ勢いで、私を振り返り。


「ままー!お母さん来たの!」


彼は、盛大に間違えた。

周りの保護者が微笑ましく笑い、本人は「?…あ、ちょっとちが~う。」恥ずかしそうに、はにかんだ。


私が小学校の時でもあったなあ、つい先生を「お母さん」言っちゃった子。つい、懐かしくて笑ってしまった。

「まま」、か。

きっと、好かれてるのが分かる呼び掛けに、嬉しくなる…こういうの見ちゃうと…この仕事もたのしいトコあるなあって思える…


私は、彼のプライドのために 聞かなかったふりをして

「そうだね、『まま』、来たね。お支度しようね?『まま』、頑張って早く帰って来たんだね。」諭したのであった。




その帰り道、ウキウキで引いた商店街のくじ引きで、大当たりを引いた。

…なんと、医院長先生の接骨院の無料サービス券。

接骨院に『無料サービス』が存在することに驚いたけど…説明書きには事前の予約をお願いしたい、同封の問診票を持参して欲しい旨が書かれていた。


そして今、書類を手に接骨院へ向かっている。




「へえ、高見沢さんが当てたんですね。」

受付にいた先生方が出迎えてくれた。

「医院長と相談ですけど…医院長のマッサージ60分コースでアロマ付きってどうですか?」

な、なんですか?そのコース?

「今、会社で新しいコースを企画する話が出てまして。」


曰く…今回の福引き景品を出すのに当たって、院内では色々相談していたんだって。

『往診サービス』とか

『ベビーマッサージ』とか


でも、対象の年齢層が絞り込めなくて、引き当てた人と問診票を見て提案しよう…と先生方は決めていたらしい。


「元々のアイディアは、医院長ですよ。『ざ!医療機関!』みたいな殺風景な診療所じゃなくて、もっとスパみたいに雰囲気出してやってみようって。」

医院長先生、そんなこと考えてたんだ。

「うちの女性陣で内装考えますんで、予約…ちょっと先の日付でとらせて頂けますか?」


え、何か楽しみ!!

全然待てる!むしろ、どうぞどうぞ好きに準備してくださいって感じ!

スパとかエステとか受けたこと無いけど、何か リッチな気分…!


テンション上がるなあって思いながらその日は帰ったのであった。

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