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睡魔には誰も勝てない
そうだ…僕は……あれをやっと掴み取って………
「いや、起きろよ!!!
さっきにぃーちゃん自分で目覚まし時計止めたよね?!
にぃーちゃんが起きないと私も学校遅刻しちゃうでしょ!寝ぼけてないで早く起きて!!!」
眠そうに目を開けた少年の目の前には
身長150センチ程のショートカットの少女がいた。
「うるっさいな…中学生にもなったんだから、学校くらい1人で行けよ………」
何かもう少しで思い出せそうだったのに。
この舌ったらずなうるさい妹は咲[サキ]。
中学1年生。
勉強は出来るが頭が悪いとはこの妹の事を言うんだろう。
「何1人でぶつぶつつぶやいてるの!おにぃーちゃん寝すぎで頭とけちゃったの?!」
「そうだね。おにぃーちゃん頭とけちゃったみたいだから、もう一回寝るね。おやすみ………」
「はぁ?!?!おにぃーちゃん?!?!ちょっと?!?!」
サキの努力(?)も虚しく、僕は再び眠りについた。