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大切なものをなくした気がする
ピピピピピ
ピピピピピ
「うわぁぁぁっ………!!!」
バシ!
目覚まし時計を反射的に叩きながら眠い目をこする。
「な、なんだ夢か…………」
僕は須藤 守[スドウマモル]
17歳のごくごく一般的な高校二年生。
勉強も運動もイマイチで、友達もそんなに多い方じゃない。
つまるところ、学校は憂鬱。
それなのに最近は夢にまでうなされてばかりでたまったもんじゃない。
「そういえば、何か大切な物をなくした気がする…。
確かにさっきまでこの手で掴んでいた、感触まで残っている。
……………思い出せない。
でも!取り戻しに行かなきゃ!」
そうしてマモルはもう一度布団に入り、眠りについた。