しあわせになりたい
うしなったかなしみの
ふりしきる純白にうもれて
しあわせになりたい
一面のわたのように
冷たさをわすれた静けさよ
月を隠さないでください
わたしの影を残してください
忘却の遠い響きよりも
高みへと導かれることよりも
ただ静かでありたいのです
いろのない川となって流れていく
いのちのない面影たちよ
澱みに沈めているのは
わたしたちのともにすごした思い出ですか
そらの果てには何もなくて
だれのものでもないかなしみがふってくる
てのひらでとけてしまえば冷たくて
ぬるくなればまたかなしくて
終わりのときまでずっと手をのばしている
あたたかなほうへ
あかるいほうへ
やさしさを初めて知ったときから
のびることをやめない蔦のように
お読み頂いてありがとうございます。