制圧 そして和解
ソニア、かつての俺の側近であり、殺されるときまでずっと味方でいてくれた、俺の召喚獣だったヴァンパイアだ。
上級よりも上のレベルの召喚獣で、ヴァンパイアの王とされる、ヴァンパイアロードである。
その姿は昔と変わりなく、黒いドレスで、髪は肩まで伸ばした金髪の、
___どっからどう見ても6歳の少女である。
見た目でいえば、今の俺と大して変わらない大きさだが、彼女はおそらく1000年以上この体系のままである。
だが、その見た目に騙されて殺そうとしたものは、ことごとく返り討ちにあった。
まあ、俺の足元には及ばないがな!
「私の使い魔がことごとく殺されているようだから、様子を見に来たんだが・・・
貴様、なにものだ? その容姿に似合わぬほどの力を持っているな。 しかも、私の名前を呼んでいたな。
どこで知った?」
うん、容姿に似合わないって君に言われたくないな。
口調も昔と全然違うし。
ここは、とりあえず俺の前世の名前を言えばわかってもらえるかな。
前世の名前なんだっけ?さ、さ、サータニアだっけな。
「私の名はサータニア、久しぶりだな。ソニア。」
「ふざけるな!我が主はとうの昔に死んだ! それが貴様だと? ぬかすなよ、小僧!」
やっべ、なんか切れちゃったよこいつ。
まあ、生き返ったとか信じられないか。
「っ!? いきなり切りかかってくるなよ。危ないな。」
「あぁ、サータニア様。あなたを騙る罪深き者を裁く許可を!」
やべぇ、こいつやべぇよ。
なんか俺に許可求めちゃってるよ。本人なのに・・・
召喚獣と仲良くしたいのに、出来る気がしないよ。
とりあえず、おとなしくしてもらうかな。
「スピード、ディフェンサー、アタッカー20並列起動。」
スピードは速さ、アタッカーは筋力を一時的にあげる魔法である。
2000×3で6000消費である。
「20並列だと?ふん、私の主は100並列だってやってのけたぞ。偽物め。」
「別にやってもいいよ。」
「何だと?」
今の魔力なら、1000並列ぐらいいけるかな。
「スピード、アタッカー、1000並列、起動」
「は?」
うん、いけるね。あと1000000ぐらい魔力も残ってるし、たぶん大丈夫だろ。
ただ、剣で斬るとやばいからとりあえずは拳で。
「そいっ!」
まずは一発で様子見を・・・
あ、ぶっ飛んでった。
やりすぎちゃったかな?
「おーい、生きてるー?」
あの程度で死ぬような奴じゃないから大丈夫だと思うが、やっぱり少し心配だ。
「うわぁ・・・」
そこには、泣きながらぬいぐるみにぐちってる、ソニアがいた。
「なによ、1000並列って。おかしいよ。しかもそれを3つもだよ?
単純に魔力3000000あるってことだよ?勝てるわけないじゃない。
なんなのよ、いきなり私の使い魔殲滅するし、ご主人様の名前騙るし
1000並列するし、化け物じゃない。うう、もう嫌。」
さっきと全然口調違うな。ようやく素にもどったのか?
「おーい」
「なに、追いかけてきたの? ・・・いきなり攻撃して悪かったわよ。
でも、いきなりあなたがご主人様の名前を騙るものだからつい・・・」
「だから、本物だって。」
「嘘よ、だって1000年も前よ? それに、私の目の前で殺されたし、体型も顔も全然違うじゃない!」
「だって生まれ変わっちゃったんだからしょうがないだろ。」
「そこまでいうなら、ご主人様オリジナルの魔法使える? 絶対にあの魔法は使えないわ!」
あー、そんなのあったな。オリジナル属性とかつくったな。懐かしい・・・
重力魔法だっけ? いけるかな。
「やれるだけやってみるよ グラビティ」
この魔法は、重力を操る魔法である。
今回は、とりあえずソニアの周りの重力を二倍にしてみたんだけど・・・
「体が重い!? まさか、本当に使ったの、ですか? 本当にご主人様なのですか?」
「だから何回も言ってるだろ?」
「ずっと、ずっと公開してました。 あの時、貴方様を守れなかったことを。本当に、申し訳ありませんでした。」
ソニアは、目に涙を浮かべながら俺に抱き付いてきた。
「本当にすまなかったな。まあ、ああなったのは俺の自業自得だと今は思ってるから気にしてないよ。」
「ああ、本当に会いたかったです。」
おれは、そっとソニアの頭をなでた・・・
ああ、ソニアちゃんの口調が何回も変わってる・・・
そういえば、みなさんチンアナゴのニコニコ生放送みましたか?
可愛いですよね、チンアナゴ。
私、夜中ぶっ通しで見てました。