修行
本日二話目の投稿です。
「ふう、疲れたなー」
魔法を約20000発撃った俺は、魔力をだいぶ消費したため、城を出て家に帰る途中だった。
日が沈み始め、綺麗な夕焼けだった。
一番末っ子である俺は、長く出歩いたりしても、大して何も言われない。
領主を継ぐわけでもないので、ぶっちゃけた話、いなくなっても大して困らない存在なのだ。
両親は優しくしてくれるが、15歳になって成人する前には、俺はこの家を出ていくつもりだ。
たぶん、誰も何も言わないと思う。
一応働くあてはある。
この世界には、ダンジョンと呼ばれるものがある。
ダンジョンコアと呼ばれる、大きな魔力を宿したものが、人間という獲物を呼び込むために作ったものや
大量の魔物が住みつき、土地自体に大きな魔力が宿ってしまったものなど、
種類はさまざまである。
そのダンジョンには、大きな危険もあるが、大きな利益もある。
ダンジョンには大きな魔力が宿っているわけだが、その魔力が宿った道具はとても高値で売れる。
そんな一攫千金を目指してダンジョンに挑む職業、冒険者というものがある。
俺のように、貴族の末っ子などに生まれた人は、大体この職業に就くようだ。
あと何年かして、召喚魔術が使えるようになったら、おれは冒険者になるために大きな都市に行くつもりだ。
「そういえば、精神力、どれくらい上がったかな」
レオナ・ファウスト 無職 1342 6/20 6歳
Lv1
HP 6/6
MP 6940/3826940
攻撃力 6
防御力 6
精神力 605
スタミナ 6
[習得魔法]
炎魔法 Lv11
水魔法 Lv11
風魔法 Lv11
光魔法 Lv11
闇魔法 Lv11
[加護]
鑑定 Lv2
毒耐性 Lv1
無限収納 Lv1
能力コピー Lv2
偽装能力 Lv1
[スキル]
洗濯 Lv1
料理 Lv1
釣り Lv1
剣術 Lv1
・・・前言撤回。
精神力がここまで上がるとは思わなかった。
これぐらいあったら上級召喚とか余裕でできるぞ。
せめてもう少し、身体的能力をあげてから家は出よう。
まずは剣術だ、うん。
ちなみに、新しく増えているスキルは、使用人が持っていたものをコピーさせてもらったものだ。
次の日から、コルト兄さんに剣の稽古をつけてもらった。
コルト兄さんの剣術レベルは6Lvで、かなりうまい方だと思う。
1年ほど、剣術を教えてもらい、俺の剣術Lvも4Lvまで上がった。
基礎体力もついたので、俺は再び古城に来た。
ここにいるアンデットは基本弱いので、今の俺でも十分に勝てるだろう。
とはいえ、痛いのは嫌だ。前世でも、基本召喚獣に戦わせ、後ろでふんぞり返っているだけだったため、前線で戦うことは基本なかった。
だが、もう召喚獣を盾にするのは嫌だ。自分の召喚獣に殺される経験は一度で十分だ。
盾にするものがなければ、自分が盾になればいい。ということで、
「ディフェンサー10並列 起動」
ディフェンサー、光系の魔法で体に攻撃が通りにくくしてくれる。
消費魔力は5なので、10並列だと500消費する。
ここのモンスターでは、俺に0.1もくらわすこともできないだろう。
まさに鉄壁である。
「グゥゥゥゥゥ」
でたでた、アンデッド系の代表のゾンビだ。
1体ぐらいなら、剣術だけで倒せるだろう。
だが、俺の剣術では時間がかかりすぎる。面倒だし、あまり効率が良くない。
なので、魔法をもう一つ使うことにする。
「付与光」
これは、自分の装備品に属性を付与する魔法である。
永続的に付与するなら、魔力が10000くらい必要だが、1日くらいなら60ぐらいで十分だ。
もちろん、今は失われてしまった魔法の一つである。
今回は、アンデット系に相性のいい光を使用した。
「えいっ」
威力を試すために、まず一度切ってみる。
その瞬間
「ガッ!?」
ゾンビが真っ二つになった。
「あ、あれ? こんなに威力あったかな・・・」
前世で使ったときは、気休め程度だったこの魔法も、弱体化した今は強大な力になるようだ。
その後、俺はひたすら狩った。ゾンビ、スケルトン、グールなど、アンデッド系の魔物をひたすら狩った。
大体、200匹くらい狩ったところで、俺は疲れたので休憩をとることにした。
ステータスを確認したところ、身体的能力の3つが大体100ぐらいになり、剣術も兄と同じ6Lvまで上がっていたこ。
気が緩み始めた時
「っ!?」
急に嫌な気配がした。
前世では大して気にもしなかったレベルではあるが、かなり強い魔物の気配である。
(やばい、かなりやばい気配だぞ? しかもこっちに向かってきてるじゃないか!
恐らく、この強さは俺がいたころの時代でも強い部類だ。しかし、なんでこんなところにいる・・・)
そんなことを考えているうちに、魔物はすぐそばに来ていた。
(逃げたら確実に村まで持ち帰るよな・・・ 仕方ない、戦ってみるか。
死なないだろう、たぶん)
そして、俺は徐々にその魔物に近づき、驚愕した。
「ソニア・・・ なんでここにいるんだ。」
______ソニア かつての俺が側近としていた召喚獣がそこにいた。
ふぅ、ようやく召喚獣がだせました。
え?召喚してないだろって?
細かいことは気にしないでください。
召喚魔術を使うのはもう少し先になりそうです。