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バシャーーーーー!!!!
冷たい水をかけられ目をさますと同時に腹部に強い痛みを感じる。冷たい床の上に転がされ、目の前には剣を持ったあの男。他にも二人剣を構えこちらを見据えている。
「※%$$℃※♂♀$?」
何かを聞かれているようだが言葉が分からない。
「あのっ、ご、ごめんなさい、わ、わからない。」
思わず謝ってしまうがもちろん通じるはずもなく、低いどすのきいた声でまた何か聞き返される。
「※%$$℃※♂$?」
「すみません、言葉わからないんです。I don't knowって英語でもないよね・・・・・・」
「$¢△??%・!△¢※$$§*$℃??」
何か脅されているのは分かるけど・・・怖いっ・・・どうしたら、どうしたらいいんだろう。
ドスッ!ガラガラ!グサッ!男から蹴りあげられる。
「・!!△$※§♂!♀%?$△!§¢!!!!!」
「ヒッ!!」
蹴られた痛みと、剣でローブを貫かれた恐怖で涙がでてくる。本気で殺されそう。本当に怖い。
しかし、人間死を覚悟したら思いもよらないことをするもんだ。気がついたらローブが破けるのも気にせず男の方に詰め寄り怒鳴っていた。
「だからわからないって言ってるでしょう!!だいたい女性に暴力をふるうなんて最低よ!!卑怯よっ!弱虫よっ!ヒック・・・」
震えながらも男の目を睨み付けていた。きっとまた殴られるだろうと目に力をいれてかまえてみたが、男の方は私の行動が意外だったのか目を見開いて固まっていた。
「なんなのよっ!!なんとかいいなさいよっ!家に帰してよ!」
普段泣くことのない自分が泣いている事が悔しくて乱暴に目を擦る。しかし、すぐに手をとられ、もう片方の手で顎をもちあげられ睨むように顔を覗きこまれる。
「っいやっっっ!!」
ビクッと体を震わせると男は舌打ちをし、私の後ろ頭を動かないよう固定しながら額を合わせてきた。深い海の色をした目があわさりすいこまれそうになる。さっきまで恐怖しか感じなかった男なのになんで・・・不思議・・・男が何かを呟くと体があたたかいなにかに包まれる。
「おい、言葉わかるか?」
低い声がすぐそばで響く。
「えっ・・・言葉・・・」
「通じるな?」
「・・・・・・は い・・・・・・」
急に意思の疎通ができるようになり、ほうけたように男をみあげる。何っ?魔法とか??ここは魔法が存在する世界なの??頭の中が整理できず混乱してしまう。
「おい、お前何者だ?と言うか女なのか?」
「っっ!!あなたには私が男のようにみえるのですか??こんなんでも私はれっきとした女です!」
「男か女かはどうでもいい。なぜここにいる?それになんだその格好は。ふっ、そんな貧相な体で陛下の寝所にでもはいろうとでも思ったのか?」
「そんなわけあるかっ!なんでここにいるかなんてこっちが聞きたいわよっ!家にいたら急に停電して、ブレイカー上げようと思ったら今度は眩しくなって、気付いたら変な図形の上にすわっているし、黒い変な集団に囲まれるし、剣を向けられるし、殴られて水をかけられて知らない言葉でどなられて・・・くっ・・・夢ならさめてほしっ・・・」
涙がでそうになって声がつまるが、これ以上この男に弱みをみせたくなくてぐっと我慢する。
「はぁーーー召喚か。とりあえず女、落ち着け」
そう言うと上着をかけてくれた。自分の体を見てみると、剣で貫かれたローブが破け部屋着が見えていた。さっき固まっていたのは私が思いがけず女だったからだろうか?手をあげたのも男と思っていたからかもしれない。それならば、もう殴られないかもしれないとほっとする。
「お前、名はなんと言う」
「・・・茜・・・」
「アカネ?変わった名前だな。アカネ、お前が召喚されたとき誰がいた?その時の状況を詳しく話せ」




