「夢葬戦士誕生」
お前の事を考えると笑いが止まらない
だってそうだろ?
お前は子供の頃から掟に従い自分を殺し続け
常に自分の心に従わず他人に従い続け
る
他人から命じられた事を自分の夢と思い込み
それを自分の力で叶えて来たのだと信じる
そんな笑える話がどこにある
お前は自分が何者か常に自分に問い続けていた
自分の意思とは何か
自分の存在理由とは何か
いつもお前は問い続けていた
なのにお前は自分の答えを否定して他人の答えを受け入れる
自分が未熟な故に答えが出せないのだと言い訳にして自分を否定する
だがもうわかってるはずだろ?
お前の出した答えがお前自身の答えであると
なのにお前は否定し続ける
完璧な人間の答えを求め続ける
お前は普通じゃ無い
幼い頃から普通じゃ無い家に生まれ育つ
そして気付いてるはずだ
周りとは違う
お前は当主としての役目を押し付けられるが故に普通であってはならない
常に自分を犠牲にしなければならない
その無駄な使命感や正義感
そんな事に振り回されお前は普通である事すら許されない
だがお前は普通である事を望む
だが周りは普通である事を許さない
お前は常に矛盾を抱え
抗おうともせずに受け入れようとする
だがその反面抗いたい自分がいる事にも気付いている
だがお前はそれを認めようとせず
そこから逃げている
人を愛する事すら許されない
お前は普通の人間とは結ばれない
なぜならお前は普通じゃ無いからだ
思い出してみろ
お前が初めて愛した人間の事を
忍であるが故に全てを隠し続け
それでも自分を見てもらおうとお前は自分の想いを表現する
その結果どうなった?
お前は拒絶され冷たい視線を向けられる事になった
友達はどうだ?
お前の事を知る人間なんて限られている
だがそいつらはお前が当主であるが故に常にお前に気を使う
お前に従う
本心なんてどう思ってるかわかりゃしない
ただ人形のようにお前に従うのみ
そんな人間に嫌気がさして
一般人の友達を作ろうとした時もあったよな
だがお前の思考の違いにその人間共はお前をクソ野郎と罵った
お前は普通じゃ無いんだよ
なのにお前はそれを認めない
否、認めてしまうとお前は自分を保てなくなる
それ故に認めずに逃げ続けている
自分が壊れるのを恐れているから
そしてお前が今いる世界に来た時お前は思ったよな
この世界で自分を知る人間はいない
それなら何にも縛られず自分の思うままに生きられる
ある種の開放感を感じたはずだ
だがそれすらも押し殺そうとした
何故だ?
自分を開放する術を知らないからだ
しばらくはお前はこの世界を知ると言う名目のもとに好きに生きてみようとも思ったはずだ
一般人として生活し
友達を作り愛する者と共に生きる
そんな生活を送っても良いかも知れない、とお前は期待していたはずだ
だがしかし現実は違っていた
お前は人を愛しても傷付けてしまい
その度に絶望する
心無い悪意の言葉にお前は深く傷付き
絶望の縁に落ちる
その絶望から逃げる為にまた誰かを愛し傷付いていく
その繰り返し
やはり自分は人を愛してはいけない
もう誰かを愛する事には懲りた
そう思いながらもお前は人を愛し続ける
安らぎを求め自分の全てを受け入れてくれる人がいつか現れると願いながら
何者でも無いお前を受け入れてくれるような人間はこの世界には存在しない
誰しも欲や野望の中で生きていく
人を欺き利用する
一見平和に見える世界でも人の悪意をお前は常に感じていた
お前がその気になればこんな世界いつでも簡単に滅ぼせる力はあるはずだ
気に入らない人間は排除してしまえば良い
大丈夫この世界には正義のヒーローと悪の怪人達がうじゃうじゃといる
そんな奴らのせいにしてしまえば良い
何者でも無いお前なら牙を剥いた所で何者でも無い争いにしかならない
人間なら誰しも悪意と言うものは存在する
愛する者を力強くで奪えば良い
力強くで従わせれば良い
裏切られたなら復讐すれば良い
お前を受け入れない世界なんてぶち壊してしまえば良い
そう思った事もあるはずだ
そう、それが普通なんだよ
お前の求め続けている普通の姿
お前自身の本当の姿
善も悪も含めて本当の人の姿である
それがお前の求める普通だ
だがお前は
頑なに悪を否定し続ける
逃げ続けている
そう、この俺様からな
お前が俺様を否定し続け、逃げ続ける程に俺様は強くより強大になる
お前の意識を奪って外に出るのは簡単だ
だがそれだと面白くないだろ?
お前の目の前でお前が守ろうとしてる物を俺様が全てぶち壊す
そしてお前が絶望に嘆く姿を俺様は見たい
俺様に跪き否定し続けた事に許しを請い
そして命乞いをする
そんなぶっ壊れたお前の姿を俺様は見たくてたまらない
だから俺様はお前の意識を奪う事はしない
だがもうすぐだ
もうすぐ俺様はお前とは別の体を手に入れてお前の前に現れてやる
その時を楽しみにすると良い
そうだな
お前が夢を創る戦士と名乗るなら
俺様はその夢を葬る戦士
夢葬戦士ヴォルスシューマとでも名乗らせてもらおうか
お前が絶望に打ちのめされ無力さを思い知り泣き喚く姿を見るのが俺様の夢だ
お前の愛する者を全部奪い
俺様に跪き従わせる
そしてお前が守る世界を全て葬り尽くしてやる
夢は誰にでも見る権利はあるし
叶えられるんだろ?
だったら俺様にもその権利はあるよな?
あぁもう楽しみすぎてたまらない
俺様がお前の目の前に出るその日まで
せいぜい俺様を強くしてくれよ?
お前の闇は俺様の極上の餌だからな
あぁもう笑いが止まらない………
ここまでお読み頂きありがとうございました
ヴォルちゃんのライバル
ヴォルスシューマの物語でした
これからどうなるのか
お楽しみに




