エントリーNo1 戦艦 アキ
審査会場に到着すると、1組目の発表が始まった。
おつかれさまです。新規事業開発部の呉 五十六です。
実機展示の前の説明は、大雑把にいうと、
今、世の中はレジャーブームであり、キャンプやバックカントリースキー等、アドベンチャーに関心が高まっている。
アドベンチャーと言えば、海。
水平線の向こうに夢を馳せるのは、人間として当然の感覚。
マジダではこれから船舶事業を検討している。
事業と一体となり、突き進む為の発表だそうだ。
将来の利益計画や事業計画関係ないと思っていたが、思いっきり事業計画に乗っかってるのか、、、、
そうこうしているうちにうちに、実機機動展示が始まった。
皆さん御覧ください、これが我々の試作車アキです。
スモークが吹き出し、舞台の後ろの壁が開き、ネイビー・グレーの車があらわれた。
錨揚げ方、用意!
錨抜けました。
微速前進!
アキは舞台脇のスロープを降りテストコースに出ていった。
面舵少し!
両舷前進
車は順調にテストコースを走っている。
その様子は、運転席をモニタリングされ、様子は会場の大画面に表示されている。
「このアキは、ハンドルは操舵輪、アクセル、各種ブレーキは、音声で機関室に指示するようになっています。ちなみに機関室長は彦左衛門さん、という設定です。」
◇◇◇それって、アクセルとブレーキを付ければいいんでは?
◇◇◇それでは、車と一緒になるから、あえて避けて、機関室か、、、、
そして、このユーザインターフェースは、戦艦のようなインターフェースのみではなく、
船舶免許練習モードがあります。
級ごとの小型船舶操縦士練習モードがあります。
・基本的な安全知識、法律や規則、緊急時の対応
・海上交通のルール、航行の原則、避航操船、信号
・運航、船体、機関、気象・海象の基礎知識、救命設備、通信
毎日の運転で、小型船舶操縦士の取得の技能を身につけることができます。
これから日本にアドベンチャーブームに乗り、盛り上げ、この車はそのフラッグシップになります。
最後の自由走行が始まった。
船舶自動車アキはピットに入って、10秒程度作業して出てきた。
会場には軍艦マーチが流れてきた。
アキの屋根には大砲風のものが1門載せられている。
いつの間にかコースにはもう1台の蛍光ピンクの車が出てきて走っている。
アナウンスが流れてきた、コース上に仮想敵艦が現れました。アキ艦隊戦に入ります。
◇◇◇艦隊戦!?
「両舷全速!」
「取舵いっぱい!」
「敵艦の進路上に横向きに配置完了!」
◇◇◇丁字戦法!?
でも、砲門1つしかないし!!!
大砲が縦にたくさん並んでいて、いっぺんに撃てないから、
効果がある戦法なのに。。。
相手は?大砲のついてない普通の車だ!!!
「目標、敵戦艦一番艦!」
◇◇◇いや、1台だし。。。
「距離200ヤード、左舷真横!」
「斉射用意!
◇◇◇撃つの?相手は武器積んでないのに!
「撃て!」
ドーーーン!
大砲から撃たれた、砲弾が標的艦を貫いた。
派手に標的艦は爆発し四散した。
「敵、イージス艦爆沈!」
◇◇◇あぁイージス艦ね。。。。だから大砲がない設定だったのか。。。。
アキは高らかに軍艦マーチを鳴らしながらコースを1周し退出していった。
◇◇◇まるで街宣車だなぁ。。。。
しかも、車に大砲つけたら、戦艦じゃなくて戦車だし。。。。。
発表は終了した。